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[試合後会見]2013.4.9

ホッとしたけれど…

 王者と指名挑戦者は旧知の間柄でもあり、互いに試合が決まった当初は「複雑な心境」と明かしていたが、リングの上は別だ。山中が左の強打を武器に2度目の防衛を果たしたのか、それとも12年間も挑戦の機会を待ち続けたツニャカオが悲願を達成したのか。
2度のダウンを奪った山中
 3Rに奪った2度のダウンで勝負は決したかに見えたが、山中もそう思ったという。「時間がなかったけれど、あそこで終わったと思いました。その後は出てくるのが分かったのでパンチを合わせたけれど、徐々に慣れてきて効かなくなっていましたね」
 試合の組み立ての軸になったのが「精度を高めた」と自信を持っていた右だった。しかし、「右はこんなもんじゃないという思いで打ったんですが、ダメでしたね。全体的に力んでスピードもなかったし」と、本人は不満だったようだ。
神の左を高らかに上げる山中
 会見中、山中はずっと左拳を氷嚢で冷やしながら応答していた。「拳ですか? 中盤で相手の頭を叩いて傷めたんだと思います。それもあって中盤が中だるみでしたね。それが課題として残りました」と、苦笑いを浮かべた。
 大和心トレーナーは「4Rまではポイントの取り方はベストでした。そのあとで力んでしまい、ジャブが伸びませんでしたね。ツニャカオの気持ちが強かったということもあり、一発に気をつけるように言いました」と冷静に振り返った。
手は大丈夫?と長谷川
 控え室には高校の3学年後輩でもあるロンドン五輪ミドル級金メダリスト、村田諒太が祝福に訪れた。カメラマンから一緒にベルトを持つようリクエストされた村田だが、「これは先輩のものだから」と手を触れなかった。山中は「自分でも強くなっていると思うし、きょうはちょっとでも(パンチが)当たると効くということが分かったのが収穫です」と会見を締めくくった。
王者を称えたツニャカオ
 一方、12年の思いを両拳に込めて戦ったツニャカオだが、計3度のダウンを喫して12回TKO負けに終わった。無情の結果だが、そこはスポーツマン。「ヤマナカは強くて素晴らしいチャンピオン。友だちとして祝福します。おめでとう」と素直に相手を称えた。
村田諒太ともガッチリ握手
 3Rに2度のダウンを喫しながらも勝負を諦めなかったことに関しては「ダウンを取られても、まだファンを喜ばせたいと思い、諦めるつもりはありませんでした」と説明。悔しさも隠しきれなかった。「勝って王座統一戦をやりたかった…ファンに申し訳ない…」
 12年もの間、夢を追い続けた35歳は、今後どこに向かおうとしているのだろうか。

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