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[試合後会見]2012.11.20

世界の扉は開いたか!!

 19日、後楽園ホールで開催された「スーパー・スピリット・ファイティング」のメインイベントでは、東洋太平洋ウェルター級王者"倒し屋"渡部あきのり(協栄)が世界の扉を押し開くべく、"格上の挑戦者"WBC世界スーパーライト級1位プラウェート・シンワンチャー(タイ)と拳を交えた。
タフな相手からダウンを奪う
 王者・渡部のV4戦、2度の世界経験を持つ挑戦者プラウェートが脅威のタフネスを発揮した。序盤から王者の豪腕が唸りを上げ 、挑戦者の顔面に左ストレート・右フックを浴びせる。しかしプラウェートは怯むことなく前進を続け、4回終了時は判定1-0(39-37・38-38・38-38)のドロー。しかし5回、渡部が左ストレートでプラウェートからダウンを奪う。ここから挑戦者はポイントを挽回しようと襲い掛かるが、王者は慌てることなく足で捌くと右フック・左右ボディ・左ストレートを打ち込む。8回終了時、判定3-0(78-72・77-75・78-73)で渡部がリード。プラウェートも最後までワンツー連打を返すが、渡部は冷静に動きを見極めワンツー・左右ボディ・右フックでポイントアウト、判定3-0(117-108・116-112・116-111)で世界ランク1位の実力者を退けた。
世界1位、敗れる!
 王者の強打を浴び続け、5回に痛恨のダウンを喫するも最後まで前に出続けたプラウェートは「チャンピオンのワタナベは強かった。ワタナベの右フックと左ストレートは強いので警戒していたがもらってしまった。私にはウェルター級は重い…」と試合を振り返り、次戦については「次は140ポンドでPABAタイトルを狙うつもりだ!!」と早くも本来のウェートであるスーパーライト級で復帰することを明かした。
渡部、貫禄の東洋V4
 豪快KO劇は演出できなかったが、最後まで冷静な試合運びでタイトル防衛を果たした王者・渡部が控え室で会見を開いた。「苦戦するとは思いました。攻め急ぐことなく戦えたが、流れの中で倒したかった…。距離を取って戦うことができたし、5回のダウンは抜けるような感じで打ち込めた」と世界ランクトップ10入りに笑顔を見せた。
 判定まで試合が長引いたことを尋ねられ渡部は「本当に打たれ強かった。これまでの相手なら倒れているパンチが何発もあったが"ケロッ"としていたし、想像以上にタフでした」と驚きの表情を浮かべた。
先輩の佐藤も祝福、次は俺だ!
 リングサイドで後輩・渡部の試合を観戦していた同門のWBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太は「落ち着いて戦っていたし、進歩も見えたと思う(笑)。これまでは"倒そう!!"という気負いもあったが、今回は冷静だったし本当に強くなっていた。チャンピオンとしての自覚を感じましたね」と世界ランカー撃破を賞賛した。
 最後に金平会長は「見果てぬ"夢"を見るのがボクシング。渡部は世界ランカーとの戦いにも勝利で応えてくれた。これからどこまで昇れるか楽しみ(笑)。まだまだ若い渡部の戦いを見守って下さい」と愛弟子の勝利に"100点満点"を付けた。
世界への期待が高まる!
 渡部自身も語っていたが、プラウェート戦に勝利することで"世界の入口"に立つチャンスを掴んだことになる。これから"倒し屋"は、世界の強豪が待ち受けるリングに飛び込むことができるのか…。

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