沼田の野生が復活か!?

　1日、元日本ウェルター級王者・沼田康司(トクホン真闘)が階級を上げ、日本ミドル級4位・東洋同級11位・氏家福太郎(新日本木村)に挑んだ一戦。過去3年、沼田はタイトルを失ってから不調が続き、6戦4敗と負け越している。
　前日計量で、沼田はミドル級リミット72.57kgを2kgアンダーでパス。対する氏家はほぼリミット丁度。減量から開放された沼田と減量に苦しむ氏家の明暗が、はっきり分かれる試合となった。

　ゴングと同時に鋭く踏み込んだ沼田は、氏家にリズムを取らせる間も与えずコンビネーションで膝を揺らすと、右ストレートで最初のダウンを奪う。氏家も沼田の勢いに呼応し反撃するが、スピードで勝る沼田は力負けすることなく2度のダウンを追加。かつての野性味溢れるファイトを取り戻したのか、沼田は見事1R2分56秒でKO勝利を飾り、豪腕復活を印象づけた。

　リング上で勝利に酔いしれた沼田は、控え室に戻り「最初から飛ばす作戦だった。ナチュラルウェイトと秘密の特訓の成果が出た」と笑顔。さらに夏場、練習で68kgまで落ちる体重を維持するのが大変だったと洩らした。

　今後については「タイトル(争い)はもういい。自分のボクシングを真っ当して終りにしたい」と、あと数戦で現役引退とも取れる発言。その真意は測りかねるが、日本と東洋ランク入りがほぼ確実となった今、沼田が中重量級の台風の目となるのかもしれない。