ホッとしている

　17日、満を持しての世界初挑戦で、王者パワーボクサー・ソニー・ボーイ・ハロ(比)に勝るとも劣らないガッツで、後援会やファンの期待にこたえWBC世界フライ級新チャンピオンの座に就いた五十嵐俊幸(帝拳)が、一夜明け会見を行った。

　昨夜の死闘を振り返り「同じ階級で一番のパンチ力だった。まぎれもなくチャンピオンだった。」と王者ハロのパワーを称えた。試合後はご両親の運転する車中で眠ったという五十嵐は今朝早く目覚めると「最後はほとんど覚えていない。」という昨夜のタイトル奪取をVTRで確認したという。
　試合後、後援会の人達から「感動した!!」という祝福の言葉をもらい、うれしかったとホッとした表情を浮かべた。

　会見に同席した浜田代表は「五十嵐は練習してきたこと全部を出せた。これまでの蓄積と合わせて、最終ラウンドはプラスアルファの力が出せた。」と新チャンピオンの活躍に目を細め「力と運を持った選手だと確信した。(優秀なボクサーでも)世界挑戦する時期がちょっと早かったり、力が落ちてた―、ということがあるが、いろいろな経験をつんで、一番力も技も良い時に試合が出来た。」と話すと「これからはインパクトのある試合をやっていかないといけない。」と更なる飛躍に期待をこめた。

　一夜明け会見をうれしそうに見つめていた葛西トレーナーは「ハロはパンチ力と迫力がすごかった。試合中は動きを使えという指示を出していたが、(それに加えて)本人が打ち合いを入れていたのが後半につながった。100点満点!!五十嵐の本能が出たいい試合だった。」とスーパーソニックの王座奪取を手放しで喜んだ。

　奥様へ贈る結婚指輪に話しが及ぶと「普通のがいいです。」と笑顔を見せ、「(緑の)ベルトが届きしだい夏ごろに地元秋田に帰省する」と、忙しくなりそうなこの夏の予定を語った。