[試合後談話]2026.5.12
再起を懸けた松本圭佑と牙を研ぐ龍王が真っ向勝負

元日本フェザー級王者の松本圭佑(26=大橋)と日本スーパーフェザー級7位の龍王(28=角海老宝石)が12日、後楽園ホールで開催された「Lemino BOXING フェニックスバトル156 スーパーフェザー級1000万円トーナメント」で拳を交えた。
約1年7ヶ月ぶりのリングに立った松本は、再起を懸けて大一番に臨んだ。一方の龍王も、大舞台で存在感を示そうと闘志を燃やし、試合前から強い気迫を漂わせていた。
実力者同士の対決は、緊張感に包まれ、両者の意地とプライドが真正面からぶつかり合う一戦となった。
松本がワンツー左アッパーを好打し、先制攻撃。サウスポー龍王はジャブを突きながら前に出たが、松本は冷静に対応。2回に左フックで右目上を切り裂くと、3回にワンツーで龍王からダウンを奪い、レフェリーストップ勝ちした。
約1年7ヶ月ぶりの試合を勝利を飾った松本は、「試合前から右が当たる予感がしていたが、攻め急がないことを心掛けていた。しっかりとパンチを出して、返しで目をカットさせることもできた。良い距離で試合ができたと思う。最後のパンチ(ワンツー)は感触はなかったが、狙っていたパンチだった」と冷静に試合を振り返った。
続けて、「昨夜は嫌な気持ちで、早く試合が終わってほしかった」と大きな重圧を抱えていたことを明かしながらも、「リングに上がる直前にはワクワクしていた」と久々の実戦への高揚感も口にした。
さらに、「この試合に向けてプレッシャーもあったが、謹慎中(計量失格による1年間の出場停止処分)も後ろめたいことは一つもせず、黙々と練習していた」と空白期間を振り返った。
試合から遠ざかっていた日々については、「1年以上試合ができない中で、娘の糸詩(しらべ)という天使が生まれてくれたことが励みになった。苦労をかけた妻・沙弥(さや)、家族を守るために、ここで負けたら引退という気持ちで試合に臨んだ。ホッとしている」と胸の内を明かした。
負けたら引退のつもりで臨んだ
準決勝で対戦する木谷陸(25=KG大和)については、「僕を攻略できると思っていると思う。どう崩すかイメージはしている。具体的なことはこれから練習して、試合当日に合わせて自信をつけていく」と語り、「スーパーフェザー級での調整は上手くいき、尚弥さん(井上尚弥)からも『良い仕上がり』と言ってもらえた」と充実感を覗かせた。
一方で、「驕らず、もっとしっかりと仕上げる。僕はまだフェザーでやると言える立場じゃない。まずはトーナメント優勝を目指す」と、浮かれることなく次戦を見据えた。
同席した父・松本好二トレーナーは、「今回の試合に向けたスパーリング中に、初めて反抗されたことがうれしかった」と息子の変化を明かした。
さらに、「リングに上がる以上、競り勝つ気持ちは必要。これまで足りなかった部分。僕は子どもの前に危ないものがあれば、どけてしまうダメな父親でトレーナーだが、息子がチャンピオンになれるなら、もっと反抗してほしい。親子の縁は切れない」と親としての本音も吐露。
そして、「これで終わりじゃない。あと2つ勝って、『松本圭佑』を証明して、スタートラインに立ちたい」と、親子での再挑戦へ強い決意を示した。
一方、龍王は悔しさを滲ませながらも、「初回から速さを感じていた。カットの出血で右目がほとんど見えなくなって、真っ直ぐのパンチへの反応が悪くなっていくのを感じた。もっと追って捕まえられると思っていたが、相手の反応と突き放しのパンチ、ストレートのタイミングが良かった」と松本の強さを素直に認めた。
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