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[海外ニュース]2012.1.26

コットはアテ馬か本命か

 実現するのか、それとも再び先送りとなるのか注目されているマニー・パッキャオ(比=WBO世界ウェルター級王者)対フロイド・メイウェザー(米=WBC世界ウェルター級王者)の頂上決戦。パッキャオ陣営は5月下旬挙行を主張し、メイウェザー側は5月5日の開催を目指して交渉は平行線を辿っていると伝えられる。そんななか、両陣営と等距離にいるWBA世界スーパーウェルター級王者ミゲール・コット(プエルトリコ)の存在が、ここにきて俄然クローズアップされている。
フロイド・メイウェザー
 世界中のファンが望む大一番だが、パッキャオ陣営もメイウェザー陣営も自陣に有利に話を進めようと画策している。今回の場合、最大のネックになりそうなのがメイウェザーの収監であろう。1月から6月1日に先延ばしになったものの、これ以上の延長は難しいはず。メイウェザーとすれば「5月5日、ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナ」は絶対に譲れないところだ。
 一方のパッキャオは先のファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)戦で負った傷の完治を理由に5月下旬、あるいは6月9日という日程を主張している。ここに来て後者の日程を伝えるメディアが増えていることを考えると、半ばメイウェザー戦を諦めていることも推測される。  
マニー・パッキャオ
 そんななか相手陣営を揺さぶるためにか、はたまた現実的な相手としてか、それぞれの陣営が対戦候補の2番手としてともにコットの名前を挙げているのである。
 シドニー五輪出場後にプロ転向を果たしたコットは長いことトップランク社の契約下にあったが、ここに来てフリーの立場になったと伝えられる。つまりトップランク社が抱えるパッキャオとも、ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)系列のメイウェザーとも等距離でビジネスができる立場になっているのだ。思わぬかたちでコットの商品価値がアップしているわけだ。
 ただし、09年にコットを倒しているパッキャオは再戦に高い興味は示しておらず、加えて「147ポンド(約66.6キロ=ウェルター級)以上では戦わない」と断言している。「150ポンド(約68キロ)以下に落とすのは無理」というコットとは3ポンド(約1.3キロ)の壁があることになる。実現には体重が最大のネックになることは間違いない。
 それに比べるとメイウェザー対コットはより実現性が高いといえる。メイウェザーはパッキャオほど体重に執着がないため、交渉は難しくないはず。報酬面さえ合意に達すれば5月5日開催で一気にまとまる可能性もありそうだ。
 パッキャオ対メイウェザーが実現すれば、双方の最低報酬は4000万ドル(約31億2000万円)とも5000万ドル(約39億円)ともいわれる。そんな夢のカードは再び先送りになるのか。コットは交渉材料につかわれる単なるアテ馬なのか、それとも本命に浮上するのか。近日中に答は出るはずだ。
 ウェルター級〜スーパーウェルター級の場外戦線にも要注目だ。

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