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3月29日(土)、新宿フェイスで八王子中屋ジム主催の「東京、新宿歌舞伎町BOXING#6」が開催された。観光客で賑わう週末の歌舞伎町だったが、白熱した試合が続出した会場の雰囲気は、街の熱気に負けてはいなかった。
メインイベントの60.0kg契約6回戦では、ドローを挟んで5連勝中の鈴木龍(25=元気)と、2024年全日本Sフェザー級新人王で現在日本Sフェザー級14位の梶野翔太(20=角海老宝石)が激突した。
鈴木は初のランカー挑戦で、ランキングを奪取することが出来たのかーー? 梶野は鈴木の挑戦をはねのけ、連勝記録を伸ばすことが出来たのかーー?

序盤から激しい打ち合いが続く展開。梶野はキレのある右フックでポイントを重ねて、鈴木にダメージを与え続けた。一方、負けじと連打で応戦した鈴木だったが、梶野が的確な強打を上下に散らして、攻勢を印象づけた。接近戦でも梶野の強烈な左右フックや左ボディが上回り、ジャッジ3者が梶野を支持。梶野が無敗のままの5連勝を飾った。

試合後、額に汗を光らせながら取材に応じた梶野は、開口一番、「全然だめですね」と笑顔は見せず。圧倒していた印象だったが、梶野にとっては「倒せる試合」を倒せずに終えたことが、厳しい自己評価となったようだ。その理由について梶野は「普段の練習での甘え。練習はやる時はやって、楽しむ時は楽しむ、メリハリをしっかりつけないと試合に出る」と反省の弁が口を突いた。「今後はそこを直して、レベルを高めたい。ずっと勝ち続けたい。相手は強ければ誰でもいい」と、上を目指す覚悟を述べた。「岡田さん(元日本・WBO-アジア・パシフィックSライト級王者、岡田博喜トレーナー)とならいけると思うんです」と言葉を強め、岡田トレーナーに対する全幅の信頼を感じさせた。

そばで話を聞いていた岡田トレーナーは「(梶野は)体重調整が苦手なんですよ。チームをクビにしようかと思って」と、冗談混じりに釘を刺す一幕もあった。聞けば梶野はご飯が大好きで、減量幅は15キロという。岡田トレーナーが「計量前に、この世の終わりみたいな顔するなよ」と、揶揄するのに対し、「今後の相手に弱点と思われるじゃないですか!」と、こちらも相好を崩して応戦し、日頃の関係性の良さが伝わってきた。梶野は尊敬し、信頼する岡田トレーナーと、二人三脚で更なる高みを目指す。

悔しいランカー初挑戦となった鈴木にも話を聞いた。「率直に強かったです」と気丈に答えた鈴木は、梶野について「パンチ力も今までやった選手の中で一番あって、呑まれてしまい、自分らしさが全然出せなかった」と唇を噛み締めた。
そばで話を聞いていた堀内稔会長は「相手はアマチュアの頃から豊富な経験があるが、鈴木はまだ8戦。今回は勢いでいけるかと思ったが、テクニックに完敗した。でも鈴木はこのままでは終わらない選手。フィジカルも持っているし、テクニックをつけてリベンジしたい」と、言葉に力を込め、愛弟子の今後の成長に期待を寄せた。