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[公開練習]2023.3.27

井上拓真に強力援軍!

 WBA(世界ボクシング協会)バンタム級2位の井上拓真(27=大橋)が27日、横浜市内の所属ジムで報道陣に練習を公開した。

 井上は、4月8日(土)に有明アリーナで開催される「Prime Video Presents Live Boxing第4弾」で、同級3位のリボリオ・ソリス(40=ベネズエラ)と空位のWBA王座を争う。

 この試合に向けて、2月上旬からロンドン五輪フライ級代表で、現在は日本ボクシング連盟理事の須佐勝明氏を特別コーチとして招聘。王座獲得に万全の態勢で臨む。
「成長を感じる」
 従兄弟の井上浩樹(30=大橋)と須佐氏が会食した際、拓真の指導の話になり、兄・尚弥(29=大橋)から父・真吾トレーナーに話を通したという。

 尚弥がアマチュア時代に「第二の師匠」と仰ぐほどの名選手だった須佐氏だが、拓真とはほとんど面識がなかったという。真吾トレーナーは「具体的なことは言えないが、『ここを伸ばしてほしい』という部分を言葉だけではなく、ミットを持って体を使って教えてくれる」と須佐氏の指導を絶賛した。

 井上も「これまで気がつかなかったところを指摘してもらい、成長を感じる」と手応えを感じていた。
「序盤から中盤にかけて倒す」須佐氏
 囲み取材に応じた須佐氏は「真吾さんとも話し合いながら、ブラッシュアップしている。思っていた以上にスピード、パワー、体幹の強さを感じた。修正点はシークレットだが、真吾さんの意見とも合致して取り組んでいる。飲み込みも早くて、ボクシングIQも高い」と拓真の潜在能力を評価。「ステップワークに無駄がなく、出入りが速くてソリスはやりにくいのではないか。序盤から中盤にかけて倒す可能性もある」と、KOでの王座返り咲きを予想した。
2年3ヶ月ぶりのバンタム級
 バンタム級での試合は、栗原慶太(30=一力)以来、2年3ヶ月ぶりとなるが「ここまで問題なく落とせている」と、万全のコンディションを強調。フェザー級のメキシコ人パートナー(ブライアン・アコスタ、セサール・バカ・エスピノーザ)とのスパーリングも終えて自信をつけた。
「自分のペースに引きずり込む」
 ソリスの印象を聞かれた井上は「リーチが長くパワーがある。昔の勢いはまだ残っている」とキャリア42戦の古豪を警戒。その上で「パンチをもらわないことを意識して戦う。どのパターンになっても、自分のペースに引きずり込む」と、ノルディー・ウバーリ(36=フランス)戦以降、積み上げてきたディフェンスを主体とした安定感のあるボクシングで完勝を目指す。

安定感を感じさせた

 会見後の練習では、シャドーボクシング、ミット打ち、サンドバッグ打ちを披露。軽快な動きからジャブからワンツー、左ボディを打ち込み、たっぷりと汗を流した。右ストレート、左ボディに力強さを感じさせ、さらに安定感が増した印象を受けた。
「テーマは『覚醒』」
 「完封して、チャンスがあれば倒しに行く。4団体統一に向けての第一歩となる試合。とても楽しみでワクワクしている。ここから一つずつベルトを集めていく」。尚弥が成し遂げたバンタム級4団体統一王者という大偉業を拓真も達成するつもりだ。

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