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[試合後会見]2022.11.8

38歳同士が魂の打ち合い!

 日本スーパーウェルター級タイトルマッチ、王者の川崎真琴(38=RK蒲田)対同級6位の出田裕一(38=三迫)の一戦が8日、後楽園ホールで開催された「フェニックスバトル94」のメインイベントとして行われた。

 2019年4月以来の対戦(川崎の判定勝ち)。38歳同士がベルトを懸けて、渾身の打撃戦を繰り広げた。
出田裕一(三迫)が新チャンピオン!
 キャリア18年目の苦労人が、執念でベルトをもぎ取った。出田は、初回から距離を潰して、ボディにパンチを集めてペースを支配。川崎の左ボディを浴びたが、グイグイと前に出た。前半終了時の公開採点は、48-47×1、49-46×2で、出田がリード。これに気を良くすると、中盤も手数を落とさず攻勢。挽回したい川崎だが、相手の前進を止められず。9回、出田がパンチをまとめると、レフェリーはついに試合をストップした。
「ベルトを獲ってホッとしている」
 第41代日本チャンピオンに輝いた出田は、ベルトを腰に巻いて静かにほほ笑んだ。「初回からペースを取りにいく作戦で、練習してきたことが通用しているのを感じた。素直にうれしいし、応援してくれている人たちの思いに応えることができてホッとしている」と喜びに浸った。
苦節18年目での戴冠
 ヨネクラジム閉鎖に伴い、三迫ジムに移籍したが、なかなか勝ち星に恵まれなかった。11連敗という長いトンネルを脱出したのが、2020年12月のこと。そこから連勝したが、今年5月には初回KO負けを喫した。

 連敗中、気持ちが切れることはなかったが、後押ししてくれたのは妻・彩子さんの「まだ成長している」の言葉だった。2014年2月の試合で一度ボクシングから離れたが「まだやり切っていない。復帰するからには、ボクシングをしてきた証が欲しい」と、4年後にカムバックした。

 出田は「ベルトを獲ることができたのは、ジムと妻のおかげ」と感謝の気持ちを言葉にした。
「チーム一丸で獲ったベルト」
 会見に同席した三迫貴志会長は「負け続けていたが、試合の数日後には練習に来ていた。前回の敗戦で『さすがにここまでか…』と思ったが、本人は続けたいと。危険と判断した時は引退を勧めるつもりだったが、練習を見て、これならいけると。試合を組むのは慎重だった中で、今回のチャンスが来た」。

 「これまで一人で黙々と練習していたが、タイトル戦が決まってからは『チーム一丸となって勝ちにいこう』と発破をかけた。ヨネクラ最後の戦士が、大橋会長のフェニックスバトルでチャンスをいただき、縁を感じた。諦めなければ夢が叶うことを証明してくれた」と38歳の新王者を褒め称えた。

 遅咲きチャンピオンは、来年のチャンピオンカーニバルで最強挑戦者を迎え撃つ。
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