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[PFP]2022.6.14

史上初の快挙!井上尚弥がPFP1位!

 日本人初の快挙! バンタム級3団体統一チャンピオンの井上尚弥(29=大橋)が、ボクシングの世界的権威雑誌「The Ring」のPFP(パウンド・フォー・パウンド」の1位となった。

 実際のところ、選考会で何を軸に話し合いが持たれているのかは定かではないが、一般的にPFPとは、「もし仮に、全ボクサーの体重が同じだったら、誰が一番強いか」を決めるランキングだ。しかし、これまでの傾向を見る限りは「実力」だけではなく、「人気」と「影響力」そして、「衝撃度」の4つは兼ね備えないと1番にはなれない。

 ここでいう「人気」は、ボクシングファンの支持をどれだけ集めているかが重要で、「見ていてワクワクするボクサー」「次の試合も見たい」という、ファンの声が後押しとなっているのではないだろうか。

 「実力」を示すのは、難しい。絶対的にも相対的にも実力No. 1を示さなければならない。時には良きライバルの存在も重要だ。ここでは、17階級(※WBCはブリッジャー級を含めて18階級)全てのチャンピオンが納得するものでなければならない。ボクサー達からの「リスペクト」という言葉がしっくりくる。

 プロボクシングが興行である以上、メディアへの露出度やSNS上での話題性、有料配信・放送に代表されるPPV(ペイパービュー)の売り上げやチケット売り上げなど、ビジネス面を中心に社会への「影響力」が問われる。その点でも『Prime Video Presents Live Boxing』第2弾としてライブ配信された6月7日の井上・ドネア戦は、Prime Videoが日本でサービスを開始した2015年9月以降、日本で配信された全作品中、配信初日の視聴数で史上1位を記録した。当日はSNSのトレンドでも世界一位になるなど、ネット空間でも話題の中心にあった。この試合で井上が手にしたファイトマネーが2億円を超えたとも伝えられている。

 PFPはビッグマッチの後に更新されるケースが多く、今回もPFP3位につけていたモンスターの試合後に更新された。そして、1位。「衝撃度」の意味がわからない方は、ぜひ、試合の映像を見て欲しい。

 29歳のモンスターは、まだ、いや、まだまだ伸び代があり、成長期にあるボクサーだ。PFP1位になったことに驚きはないが、これから先も楽しみしかない。

 日本を代表する選手たちからもコメントが届いた。
■WBA世界ライトフライ級スーパー王者
■京口紘人(ワタナベ)
「PFP1位って、尊敬ですよね。モンスターは、今の日本のボクシング界のエース。刺激になってない現役選手は、いないと思いますよ。僕も世界チャンピオンという立場ですが、井上尚弥選手は双眼鏡で眺めないといけないくらい上の方に行ってるので、僕もこれから頑張っていきたいです」
■WBO世界フライ級王者
■中谷潤人(M・T)
「日本人選手がPFP1位になることはすごいこと。自分もそこを目指しているので、刺激を受けました。先日のドネア戦を見て(1位に)なるだろうなと思いました。今、米国にいるので朝の5時に起きて、ESPNで視聴したのですが、パフォーマンスをしっかりと出してあのような勝ち方だったのでさすがだなと思いました。期待をさらに上回るパフォーマンスでした」
■WBO世界ミニマム級王者
■谷口将隆(ワタナベ)
「すごいっすね! 同じ競技者の一人として、刺激になります。技術的にも想像できない次元のことをやっているんだと思いますが、想像できるようになりたいですね。メキシコで見てましたが、ドネアがカウンターを合わせにきたタイミングに合わせてカウンターを合わせて、ダウンを奪ってましたからね。ホント、すごいっす!」
■前WBC世界ライトフライ級王者
■矢吹正道(緑)
「あの勝ち方は衝撃的でした。日本人がPFP1位に選ばれることはすごいこと。初回、ドネアのペースが速かったので、何かが起こるとは思いました。ドネアはジャブにカウンターを合わせてくるので、(井上選手は)ジャブを捨てて打つフリをして右ストレートを決めてダウンを奪った。インターバル中にセコンドから『こうしろ』と言われてやるならわかるのですが、ラウンド中にあのスピードがある中で、自分で考えて(戦い方を)変えていくのがすごい。なんで(ドネアが)あの右をもらったのかと、スローモーションで見たのですが、ドネアは、ジャブにストレートを合わせる癖があるので、その引き出しを出させた結果。普通は、ラウンドが終わって落ち着いた時に、セコンドに言われるなり、自分で変えるなりするものだが、速い駆け引きの中であれ(右ストレート)を出した。ダウンを奪ったことより、引き出しをあの瞬間に出したことがすごい」
■前OPBF東洋太平洋スーパーライト級王者
■内藤律樹(E&Jカシアス)
「野球でいうなら大谷翔平。オリンピックで陸上競技で金メダルを獲るくらい相当すごいこと。今後、尚弥を超える選手は出てこないでしょう。ドネアはリズムを取ろうとして強引に行きすぎました。ビッグパンチを当てようと焦らせたかったのでしょうが。尚弥は完璧な右でした。あのタイミングで狙うのは難しく、咄嗟にできることではないのですが、あれだけしっかりと打てるのがすごい」

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