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[引退表明]2021.2.11

元日本ユース王者の中川抹茶が引退

 元日本ユース・バンタム級王者で日本スーパーバンタム級12位の中川抹茶(26=角海老宝石)が2月11日付で日本ボクシングコミッションに引退届を出したことがわかった。
 2013年10月にデビューした中川は、2015年度全日本バンタム級新人王に輝くと、2017年には日本ユース初代バンタム級王座を獲得した。
 生涯戦績:17戦14勝(5KO)2敗1分
「燃えるものがなくなった」
 引退の理由にモチベーションの低下を挙げた。中川は「燃えるものがなくなってしまい、この気持ちではチャンピオンにはなれないと思った。このスポーツはメンタルが一番大事で、この気持ちでは戦えない。自分の中で一区切りつけたかった」と語った。
中村祐斗(市野)戦
 ベストバウトを聞かれた中川はしばらく悩んだ末に「一番納得がいく動きができたのは前回の諏訪戦だが、戦っていて楽しかったのは中村戦。あの試合はたくさん褒めてもらえてうれしかった。勝った瞬間に初めて『やったあ!』と両手を上げた」と、2017年8月に中村祐斗(市野)と日本ユース初代バンタム級王座を争った一戦を挙げた。
 今後はまだ未定だが、両親と3人で妹がいる大阪に移住することが決まっている。
「ボクシングを通じて人間として成長できた」
 中学1年で始めた競技人生を終える中川は「自分は元々、引きこもりのような人間だったが、ボクシングを通じて多くの人と出会い、人間としてすごく成長できた。最初は挨拶もできなかったし思いやりもなかったが、優しくなったと思う。人間として得たものが多かった」と振り返ると、「角海老宝石ジムで本当に良かった」と所属ジムに感謝の気持ちを言葉にした。
お疲れさまでした
 4回戦時代から軽快なステップワークとサウスポースタイルから繰り出されるキレ味抜群のカウンターが目を惹き、チャンピオンの素質を十分持った好選手だった。ジムや会場で会うと必ず挨拶をしてきて礼儀正しく優しい青年だった。
 一皮剥ければ、まだまだ上位にいく実力があるのでグローブを吊るすのは残念でならないが、本人が決めたことだから第二の人生を温かく見守りたい。

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