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[一夜明けオンライン会見]2020.11.7

中谷潤人はフライ級の価値を高めていく

 WBO(世界ボクシング機構)フライ級王者の中谷潤人(22=M・T)が7日、神奈川県相模原市内の所属ジムでオンライン取材に応じた。
 中谷は6日に後楽園ホールで同級1位のジーメル・マグラモ(25=比)と空位の王座を賭けて対戦。これまで一度もダウン経験のなかったマグラモを倒し、8回KO勝ちで新チャンピオンに輝いた。
 17歳でプロデビューしてから全日本新人王、日本ユース王座、日本王座と王道を歩み、ついに世界のベルトを巻いた中谷は「ベルトは思っていた以上に重たかった。自分は防衛していくことに価値を見出していきたい」とこれまで数多くの日本人世界チャンピオンを輩出してきた伝統のフライ級王座を守っていくと決意した。
左:岡辺大介トレーナー
右:村野健マネージャー
 「昨日はあまり寝れなかった」と4時間の睡眠で会見に臨んだ中谷。祝福のメールやLINEが200件以上あり世界チャンピオンの実感を感じているという。
 自宅で試合映像を見た中谷は「結果的には良かったが、反省点が残る試合だった」とガードの位置やパンチをもらった時の対処などを課題に挙げると、「これからさらに強い相手と戦っていくので、成長していきたい」と王者の自覚を感じさせた。
相手の得意な打撃戦でも打ち勝った
 試合を振り返った中谷は「初回の左ストレートに手応えがあり、相手もこっちのパンチを警戒してくれた。2回以降の接近戦は想定内で、相手の状況を見てこの方が良いと判断して」とマグラモが得意とする打撃戦に応じたことを明かした。それでも「セコンドからは『ポイントは取れている』と言われたが、実際に取れている感覚はなかった」と世界1位の強さを肌で感じたようだ。
完璧な内容だった
 昨日の試合のチーフセコンドを務め、中谷が中学卒業と同時に米国へ単身武者修行した時から指導している米国在住の岡部大介氏は「リングの中央で戦い、パンチを打ったら動き、相手の正面に立たない作戦だったが、指示通りに動いていたので途中からは安心して見ていた」と合格点を与えた。
次戦は初防衛戦が濃厚
 今後のスケジュールについて村野健マネージャーは「コロナの状況もあるのでいつになるかわからないが、できるだけ早く初防衛戦を組みたい」と語った。
 王座決定戦で戴冠した中谷は指名挑戦者との初防衛戦が濃厚。現在2位には前WBO世界ライトフライ級王者のアンヘル・アコスタ(30=プエルトリコ)がランクされている。アコスタは、2017年5月に田中恒成(25=畑中)に判定負けを喫したものの、その後世界王座に就き3度の防衛に成功した。21勝すべてがKO勝ちというハードパンチャーだ。中谷も「アコスタ選手と戦ってみたい。かなり強い選手なので、しっかりと練習していく」と対戦を希望した。
これからの中谷潤人(M・T)に期待
 「世界王者になる」とボクシングを始めてから、10年7ヶ月で世界の頂点に立った。コロナ禍の影響で何度も試合が延期になりながらも、気持ちを切らすことなく、決戦を待ち続けようやく念願のベルトを手にした。「今はのんびりとしたい」と大好きな釣りをしながら休息し、1週間後から体を動かしていくという。

 日本ボクシング界に新たに表れた新星"愛の拳士"中谷の今後の活躍から目が離せない!

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