試合後に堤聖也はどう思ったか?

　元WBC(世界ボクシング評議会)フライ級王者の比嘉大吾(25=Ambition)と引き分けた日本バンタム級13位の堤聖也(24=角海老宝石)に試合後に話を聞いた。
　アマチュア時代は2度比嘉に勝っている堤は、試合前に「2度あることは3度ある」とビッグネーム撃破に闘志を燃やした。
　堤は序盤からよく動き回り豊富な手数で先手を奪うと中盤、比嘉のパワーに押し込まれたが終盤に再び盛り返しドローを演じた。元世界王者と真っ向から渡り合った堤は何を思ったのかーー。

　元世界チャンピオンと引き分けた堤だが「またドローかという気持ちが一番。勝ち切れなかった思いが強い。これから悔しさが増していくと思う」と今年1月のGOD'S LEFTバンタム級トーナメント決勝戦で中嶋一輝(大橋)と引き分けたのに続き、大きな勝利を手にできなかった悔しさをにじませた。

　「最初からギアを上げていたのでセコンドから『抑えていけ』と言われたが気持ちを緩めたらペースを持っていかれるのでそのままいった」。「右ストレートが当たったがそれからのつなぎが必要だった。大吾は岩みたいに強いパンチで試合を楽しむ余裕がなかった。経験のなさを露呈した」と反省の弁が続いた。

　堤とコンビを組む石原雄太トレーナーは「堤の方が距離が長いので歩きながら距離を保ってプレスをかけていく作戦だった。偶然のバッティングで中盤以降、右目が見えなくなったのとジャブの差し合いで負けたのが誤算。6〜8ラウンドでパンチをもらい出したのでもっと早めに展開を変えさせればよかった」と堤と同様、悔しい表情を見せた。