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[公開練習]2020.10.23

タイの「ブラックウルフ」が京口紘人に噛みつく!

 WBA(世界ボクシング協会)ライトフライ級10位のタノンサック・シムシー(20=グリーンツダ/タイ)が23日、大阪東成区のグリーンツダジムで報道陣に練習を公開した。タノンサックは、11月3日(火・祝)にインテックス大阪5号館AでWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(26=ワタナベ)に挑戦する。
 タイのシーサケット県出身で元WBC世界スーパーフライ級王者のシーサケット・ソールンビンサイの再来と言われている期待のホープは、ムエタイ40戦のキャリアを積みボクシングに転向して約2年5ヶ月で世界初挑戦する。
 "ブラックウルフ"の異名を持つタノンサックは「世界戦が決まって本当にうれしい。試合を決めてくれた本石昌也会長に感謝したい。面白い試合をして絶対に勝つ」と王座奪取に自信を示した。
 試合当日は京口紘人公式YouTubeチャンネルでライブ配信される。
ビッグチャンスを掴み取る!
 会見の冒頭、タノンサックとマネージメント契約しているグリーンツダジム本石会長がタノンサックとの出会いから契約に至るまでの経緯を説明した。昨年1月にタイに渡りタノンサックと初対面した本石会長は「久しぶりに見たハングリーなボクサーで本物の雰囲気を感じた」と、昨年4月に日本でテストマッチをして5月に契約した。
 今年1月に日本のジム所属選手として迎え入れる予定だったが、新型コロナ禍の影響で先延ばしになっていたところで京口陣営から世界戦のオファーが来たという。
2週間の隔離生活を送った
 タノンサックは、今月7日にコーソンセット・プームマネージャー(38)、元WBC世界スーパーフライ級王者のスリヤン・ソー・ルンビンサイトレーナー(31)と来日すると、新型コロナ感染防止策のため、グリーンツダジムが用意したマンションで別々の部屋で一歩も出ない生活を2週間送った。
 その間、タノンサックは部屋で一人でシャドーボクシング、エアロバイク、ストレッチで体を動かしたという。22日に隔離生活が解除され、スパーリングを行っている。タノンサックは「精神的にキツかった。部屋から出た時は天国のようだった」と話し報道陣を笑いに誘った。
両親に世界のベルトを見せる
 チャンピオンの印象を聞かれたタノンサックは「スタミナがあり、左ボディが上手くパンチ力がある強い選手」と語ったが、「自分もスタミナには自信があるし、最後まで諦めない気持ちの強さがある」と自身のストロングポイントを挙げた。
 当日はどのように戦うかと聞かれると「それは11月3日を見てください」とニヤリとした。
タイで100ラウンドのスパーリングを消化
 会見後にはスリヤンと2ラウンドのスパーリングを披露。ほぼ左しか出さずパンチを打ち込まない軽めのスパーで手の内を隠した。距離を取りながら前に出てくるスリヤンに左ボディアッパーで迎え撃つと、左のダブルのコンビネーションを見せた。
 しかし、続けて行われたミット打ちでは、キレのある右ストレート、回転力のある連打を叩き込んで世界ランカーの実力を垣間見せた。
タノンサックのスピードに注意
 タノンサックの練習を見た京口を担当する井上孝志トレーナーは「スピードとスタミナがある。初の世界戦で普通なら緊張するが、自信に満ち溢れている表情だった。良い試合になると思う」と警戒心を強めた。

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