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[公開練習]2020.10.19

京口紘人は調子も人気も絶好調!

 WBA(世界ボクシング協会)ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(26=ワタナベ)が19日、東京・五反田の所属ジムで報道陣に練習を公開した。
 京口は、11月3日(火・祝)にインテックス大阪で同級10位のタノンサック・シムシー(20=タイ/グリーンツダ)を迎えて3度目の防衛戦を行う。
 新型コロナ禍以降、国内で行われる日本人男子選手初の世界戦は、世間的にも注目されている。1997人収容のインテックス大阪はチケットが9割が売れている状況で、3万円と2万円のチケットも残りわずかと絶好調だ。
 昨年11月から始めた、京口紘人YouTube公式チャンネルの登録者数は13万9000人と、新型コロナ禍で試合がない間、ボクサーの中で一番知名度を上げた選手と言える。試合当日はYouTubeでライブ配信される。
オリンピック関係者も注目している
 1年1ヶ月ぶりのリングに上がる京口は「コロナ禍以降、国内で行われる初の世界戦で注目してもらっているのは光栄なこと。世界2階級制覇をして今回が3度目の防衛なので求められているものが大きいのはわかっている」とチャンピオンとしての強さを示す。
 ワタナベジムによると、スポーツ庁から東京オリンピックに向けて一つの成功例としてモデルケースとなるイベントにしてほしいという要望があったことを明かした。京口は「外国人選手を呼んで日本で試合をすることでオリンピックやパラリンピックの関係者が注目しているというのは聞いている。意味合いのある世界戦だと思っている」と語った。
キャリアの差を見せる
 相手の印象を聞かれた京口は「若くて勢いがある選手」と話したが、「同じ14戦のキャリアだが、濃さが違う。当日はキャリアの差を見せたい」とタイの新鋭に力の差を見せるつもりだ。
 YouTubeの影響で以前と比べて知名度が格段に上がった。「YouTubeで初めてボクシングを見る、ルールをあまり知らない人のためにもわかりやすい試合を見せたい。チャンスがきたらKOを狙うが、一番は完勝すること」と必勝宣言した。
スパーリングは80ラウンドを消化
 会見後には同門でB級プロテストを受験する予定の吉田京太郎(23)と2ラウンドのスパーリングを披露。「今日は動きが悪かった。50点です」(京口)と言うものの、アマチュア45戦32勝13敗でバンタム級を主戦場としていた吉田を圧倒した。
 破壊力のある左アッパー、左ボディはもちろんのこと、1年前から始めたフィジカルトレーニングの効果で下半身がより安定したことにより体がブレなくなり、打った後のバランスの良さが目を惹いた。さらに右ストレートのキレが増し、軽快なステップワークを見せた。
リミットまで残り5kg弱
 実戦練習の後は井上孝志トレーナーとのハンドミット打ち、ミット打ちで基本動作の確認をし、最後はパンチングボールでメニューを消化した。
本石昌也会長
 挑戦者のタノンサックと契約しているグリーンツダジムの本石昌也会長は、京口の練習を偵察するために大阪から上京した。
 本石会長は「コロナ禍の中で京口選手がどのような覚悟を持っているのか、意気込みや気迫を見に来た。『強い』の一言。調整もぬかりなく今日は見に来て良かった」と話すと、「彼の左アッパーと左ボディは脅威。大きな武器だが弱点でもある。対策は十分している」とタノンサックのベルト奪取に全力を注ぐ。
 7日に来日したタノンサック陣営は、グリーンツダジムが用意したマンションでタノンサック、プームマネージャー、元WBC世界スーパーフライ級王者のスリヤン・ソー・ルンビサイトレーナーが別々の部屋で分離生活を送っていて、部屋からは一歩も出ていない。22日に分離生活が解除され、スパーリング調整に入る。本石会長は、タノンサックが部屋で1日3時間のトレーニングをしていることも明かした。 

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