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[ニュース]2020.9.19

元日本王者の新藤寛之が引退を表明

 宮田ボクシングジムは15日、ジムのホームページで元日本2階級制覇王者の新藤寛之(34=宮田)の引退を発表した。新藤は、昨年11月の日本スーパーウェルター級挑戦者決定戦で判定負けを喫したが、復帰に向けてトレーニングを積んでいた。しかし、「年齢的なことを考えて、スポーツ選手はいつか引退する時がくる。気持ちを切り替えて今後の人生に向けてシフトチェンジした方がいいのではないか」とグローブを置く決意を固めた。
 約14年間の現役生活に終止符を打った新藤に電話取材し、現在の心境などを聞いた。
■生涯戦績:28戦20勝(8KO)6敗2分
日本王座2階級制覇を達成した
 2007月11月にデビューしたサウスポー新藤は、186cmの長身を活かしたアウトボクシングで2016年1月に日本ウェルター級王座を獲得。この王座は初防衛戦で手放したが、階級を上げて2018年5月に王座決定戦で2階級制覇を達成した。花咲徳栄高校ボクシング部の先輩であり、暫定王者の渡部あきのり(角海老宝石)との王座統一戦では、強打の渡部と真っ向から打ち合い、引き分けで初防衛に成功した。度重なる怪我に泣かされながらも、不屈の闘志で立ち上がりベルトを巻いた。
あっという間だった
 新藤は「ありがちな言葉だけどあっという間だった。やっている時はキツいなと思っていたが、終わってみると早かった」と、14年間のプロ生活を振り返ると、「一生懸命やってきて後悔はしていないが、ここまで頑張ったな、と思える部分ともっと頑張れたと思う気持ちが半々」と語った。
死闘を繰り広げた渡部あきのり戦
 これまでのベストバウトを聞かれた新藤は、「勝っていない試合を挙げるのもどうかなと思うが」と前置きした上で、「やっぱりあきべえ先輩との試合です」と渡部との一戦を選んだ。「離れた距離で戦えば新藤、近い距離での攻防は渡部が有利と予想していたと思うが、自分は試合前から打ち合うことを決めていた。良い意味で期待を裏切り、盛り上がった試合になった」と死力を尽くして壮絶な打撃戦を繰り広げた一戦を振り返った。
理学療法士を目指す
 今後については「現役時代は怪我が多く、リハビリをしていたがその際、お世話になっていて良い仕事だなと思ったし、やりがいのある仕事だと思う」と理学療法士への道を検討中だという。
お疲れさまでした
 最後に「ボクシングをしていて楽しかった。好きじゃなければあんなに厳しい練習は毎日続けられない。あの勝利の味を知ったらなかなか辞められないもの。高校からボクシングを始めて20年弱だったが、よく続けることができたと思う」とボクシング愛を語ると、「自分の知り合い以外のボクシングファンからも応援してもらい、本当にうれしかった。怪我が多く何度も心が折れそうになったが、応援があり背中を押してもらえたことで前に足を踏み出すことができた。本当にありがとうございました」と、感謝の気持ちを言葉にした。

 新藤寛之さん、ありがとうございました。これからの活躍を期待しています。

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