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[試合後会見]2019.10.11

和氣慎吾の世界前哨戦は波乱の結末

 WBC世界スーパーバンタム級2位、IBF同級4位の和氣慎吾(32=FLARE山上)が10日、後楽園ホールで開催された「ゴールデンチャイルド.127」のセミファイナル、フェザー級8回戦で元OPBF東洋太平洋同級ランカーのジュンリエル・ラモナル(30=比)と6年ぶりに対戦した。
 世界前哨戦と位置づけられた試合で、和氣は立ち上がりからスピードに乗った攻撃でラモナルを寄せ付けなかったが、3ラウンドに思わぬ結末が待っていた。
ラモナルがリベンジをはたした
 2回までは和氣がラウンド終盤にワンツー、アッパーをまとめ、ラモナルの右目上を切り裂くなどワンサイドで試合を進めたが、3回に入るとペースを上げたラモナルのバッティングでリズムを崩し、さらに踏み込まれたところで左フックを頭部に浴びダウン。ここは立ち上がったが、効いているのかフットワークが機能せず。打ちにいったところで再びラモナルに左を返され、今度は横に崩れ落ちた。レフェリーは危険な倒れた方にノーカウントで試合を止め、和氣はまさかのTKO負け。しばらく動けなかった和氣は、ようやく立ち上がるとロープを掴み天を仰いだ。
試合の記憶がないと和氣
 控え室に戻った和氣だが、脳しんとうからか試合の記憶がなく、二人三脚で歩んできた赤井祥彦代表が代わって取材に応じた。
 「左をもらうまでは最高の動きだったが、3ラウンドにバッティングされてから流れが変わったように思う。最初のダウンで効かされ、試合の記憶がまったくないようです」。「これに勝てば世界のチャンスもあったのですが…。僕の力不足でなかなかチャンスを与えられず、和氣のモチベーションも落ちていたのかもしれない。世界から後退し、和氣が今後どういった判断をするのか今は分かりません」と肩を落とした。
 昨年7月、日本同級王者の久我勇作(ワタナベ)を破り国内NO.1を証明した和氣。世界を目前にしての敗戦に、今後どんな答えを出すのか――。
勝利に沸いたラモナル
 一方、世界上位ランカーの和氣から会心の勝利を挙げたラモナルは、「3ラウンドはセコンドの指示で左を狙い、それが上手く決まった。和氣は6年前と同様にスピードがあって左ストレートの威力があったが、今回は自分の方がパンチがあった。リベンジできてうれしい」と喜んだ。

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