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[試合後会見]2019.10.5

中谷潤人がメリンドと世界前哨戦

 前日本フライ級王者で世界主要4団体にランクされる中谷潤人(21=M.T)が5日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のメインイベント、114LB(約51.7kg)契約10回戦に出場。元IBF(国際ボクシング連盟)ライトフライ級王者のミラン・メリンド(31=比)と対戦した。デビューから破竹の19連勝をマークし、世界を狙うホープは難敵メリンドにどのような戦いを見せたのか――。
中谷が20連勝
 初回から中谷が身長差を活かしたジャブを突きペースを掌握。3回、中谷はジリジリと距離を詰めると冷静な攻撃でワンツー、左ボディストレートをヒットさせ、メリンドにつけ入る隙を与えなかった。4回、中谷は左ボディアッパーから多彩なコンビネーションを決めると、続く回も上下に打ち分けロープを背負わせた。6回、中谷は距離を詰め、ショート連打から緩急をつけた攻撃で攻め立てると、防戦一方となったメリンドを見てレフェリーが救い出した。中谷が元世界王者に圧勝し、無傷の20連勝を飾るとともに世界を猛アピールした。
緊張感がある中で自由に戦えた
 顔にかすり傷ひとつなく会見に臨んだ中谷は、「これだけパンチが当たれば効いてくるだろうと思った。顔面だけでなくボディや胸を打つことを意識した。きれいには倒せなかったが、パンチをまとめることができたので良かった」。「ジャブを置きに行ってしまったのが反省点。満足するのは世界王者になってからしたい」と冷静に振り返った。
フライ級で世界王者になりたい
 現在、WBA世界フライ級2位、WBC世界同級3位、IBF世界同級11位、WBO世界同級3位に位置する中谷は来年の世界挑戦に期待がかかる。WBC同級王者のチャーリー・エドワーズ(英国)が王座を返上。中谷にも王座決定戦出場の可能性がある。「今、言える立場ではないが」と前置きした上で、「WBC1位のフリオ・セサール・マルチネス(メキシコ)とは危機感を持って試合ができる」と名前を挙げた。
完敗したメリンド
 17年12月の田口良一(ワタナベ)、18年10月の拳四朗(BMB)に続く敗戦と、日本で3連敗を喫したメリンドだが、試合後の控室では「ちょっとストップは早いと思うが、無敗の選手と元世界王者の良い試合ができた。中谷は確かに良い選手だが、世界に行くにはまだ経験が足りない。もう2〜3戦やったほうがいい」と強がりに近い助言。それでも最後は「あれだけ背が高いと誰でもやりにくい。連打も速くて捌き切れなかった」と、その実力を認めた。
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