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[試合後談話]2019.6.28

長いトンネルを脱出したのは?

 日本スーパーフライ級15位の阿知和賢(32=ワタナベ)と元日本ランカーの太田輝(24=五代)が28日、後楽園ホールで開催された「オーバーヒート・ボクサーズナイト.90」のセミファイナル、スーパーフライ級8回戦で激突した。4連敗中の阿知和と2連敗中の太田、はたして激戦を制しトンネルを抜け出したのは――。
阿知和が競り勝った
 上体を揺らしながら様子をうかがう太田に対し、阿知和は相手の打ち終わりに右フックを合わせるとラウンド終盤には右アッパーで膝を揺らした。4回は中間距離で激しいパンチの交換となるが、阿知和の有効打が上回り、5回には太田の右目上を切り裂いた。守勢を強いられていた太田だが、終盤は脅威の粘りを見せ反撃。集中力の切れた阿知和に襲い掛かりポイントを挽回した。最終8回、太田は左ボディで阿知和の動きを止めるが、阿知和も懸命にパンチを返し試合終了のゴングを聞いた。
本当にうれしい
 4連敗を抜け出し、約3年2ヶ月ぶりに勝ち名乗りを挙げた阿知和は、「負けたら引退する覚悟だった。諦めなくて良かった。勝利の味は最高ですね!」と満面の笑みを浮かべた。
 毎日、動画や画像をアップし、今ではツイッターのフォロワー数が12000人だという阿知和。今回の試合のチケットも40枚はツイッターから売れたことを明かした。まずは日本タイトル挑戦資格のある12位以内を目指す阿知和は、「一度は日本タイトルに挑戦したいですね」と抱負を口にした。
一から出直します
 一方、猛追したが悔しい敗戦となった太田は、「相手の連打は嫌ではなかったが、見栄えが悪かった。後半になりボディが当たりだし効いているのは分かったが…」と気丈に試合を振り返った。
左:山中 右:内田
 メインイベントではライトフライ級8回戦で山中章弘(31=フラッシュ赤羽)と内田勇気(26=KG大和)が対戦した。序盤から内田がスピードを活かした攻撃でペースを握ると、足を使い相手に的を絞らせなかった。山中は6回に距離を詰め、左ボディ、右クロスを決めて反撃。さらに左右をまとめて追い上げたが、前半の貯金を守った内田が接戦を制した。
日本ランク入りを目指す
 A級初勝利を挙げた内田は、「これまでは生活面や人間関係が上手くいかず、それがボクシングにも表れてしまっていた。今回はしっかり準備して自信を持って試合に臨むことができた。視野を広げて新しいスタイルで戦ったのがハマった」と声を弾ませた。
 ジムの先輩である日本スーパーフェザー級10位の荒谷龍人が目標だという内田は、「これに満足せず、精進していきたい」と飛躍を誓った。

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