湯場の決意

　これまでライト級・スーパーライト級・ウェルター級と、日本3階級を制してきた湯場忠志(都城レオS)。
　昨年9月、前人未到の日本4階級制覇を狙い、日本&東洋太平洋スーパーウェルター級2冠王者・チャーリー太田(八王子中屋)に挑む。だが、戦うたびに成長を続けるチャーリーの前に、途中までは接戦を展開するも終盤に失速、判定負けで夢への道はいったん閉ざされてしまう。
　しかし湯場は4階級制覇を諦めなかった。今年1月、日本同級4位・細川貴之(六島)との復帰戦は次期挑戦者決定戦となり、判定勝ちで挑戦権を掴み獲ったのである。
　46戦のキャリアを持つ34歳が、頂点を目指して再び疾走を始めた。
　王者・チャーリーに挑む5月19日の決戦を前に挑戦者・湯場がボクシングモバイルに意気込みを語った。

★挑戦者・湯場忠志
■34歳にしてトップ戦線で戦える秘訣は?
湯場　自分でも分からないんです(笑。食生活も自由だし、食べたいものを食べて。減量中も肉を食べますから。ずっと肉食。特に試合前は肉食です(笑。肉で闘争本能を上げています。34歳で戦える秘訣は肉ですかね。
■スーパーウェルター級に上げ、コンディション作りは変わりましたか?
湯場　減量が楽になりましたね。食べながら落とせる。逆にもっと食べなきゃいけないかなって(笑。普段からもう少し体重があっても良いと思ってるんですよ。
■普段、体重は何kg位なんですか?
湯場　試合がなく、ピーク時でも74kg位ですかね。練習を始めたらすぐ70kgになっちゃいます。スーパーウェルターのリミットは切らないですが、その近くまで落ちてしまいますね。
■減量よりも増量?
湯場　でも昔の感覚があるのか、食べられないんです。ボクサー心理なのか、試合前は食べちゃ駄目だって。ライトやスーパーライト時代の感覚が残っていて、食べるのを控えてしまうんです。
■スーパーウェルター級の戦いではパワー差を感じる?
湯場　それは全然感じません。逆に僕の方が身長も大きいですし、体格も大きいですから。パワー差を感じたって部分では、チャーリーくらいですか。

■チャーリーの名が出ましたが、5月19日に再戦が決まっています。意気込みを。
湯場　前回、悔しい思い、辛い思いをたくさんした。その部分のリベンジも含め、4階級制覇って記録もかかっている。頑張るしかありません。練習あるのみ!!
■チャーリー戦の見所は?
湯場　多分、最後は気持ちの勝負だと思うんです。それまでの技術戦とかあるでしょうが、チャーリーは頭の良い選手。僕もすごく考えて考えて試合に挑みたい。ですから19日のチャーリー戦はお互いの気持ちや作戦という部分を観て欲しい。

■一度戦っているチャーリー選手。どう分析・評価しますか?
湯場　ひとことでいえば、凄い頭の良いボクサー。外人なので、僕は本能でくると思っていた。それが全然逆で。この前の試合では、凄い考えてきたので驚きましたね。
■チャーリーは一戦一戦成長していると思いますが?
湯場　その部分が怖い。はっきりいって一番怖い。昔みたいに振り回すボクサーならカウンターもとりやすいんですが。それと、こっちが良いパンチを当てたって感覚とタイミングを掴んでも1回だけ。2回目からは同じパンチをもらわない。同じヘマはしないっていうか、本当に凄い考えてる。
■戦いながら成長している感じ?
湯場　そうですね。学習能力というか、ひらめきが速い。自分がこうされたら嫌だなと。嫌がることをさせませんね。だからこっちも色々考えて挑まないと。

■いえる範囲で構いませんが、作戦を。
湯場　多分、最後は気持ちの問題じゃないかなって。行く時は行って、退かない勇気も必要だし。ちゃんとポイントを取って。でも前回の戦いで感じたんですが、結構良いパンチが当たり、普通の選手なら倒れているのに立っていて。そういう部分を見ても打たれ弱くはなく、頑丈なのかなって思っています。
■チャーリー戦のテーマは?
湯場　テーマというよりも、チャーリーに勝つために自分を追い込むだけ。ストレスを溜めないで追い込むだけ(笑。試合当日も気持ちが重要になる。前回、行けるところで行かなかった部分もあったので。逆に無理して行ったところもあり。それで後半失速したし。だから気持ちが大事になってきますね。
■最後にモバイルユーザー、ファンにメッセージを。
湯場　5月19日という、ボクシング界を記念する日に試合ができることは嬉しい。この大事な日に記録を作りたい。チャーリーから王座を獲ることに意義がある。そして日本4階級制覇を成し遂げます!!