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[試合後会見]2019.3.2

名勝負に後楽園ホールが大熱狂

 日本ミドル級王者の竹迫司登(27=ワールドスポーツ)が2日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のメインイベントで同級1位の加藤収二(28=中野サイトウ)を迎えて2度目の防衛戦に臨んだ。壮絶な打撃戦に観客は熱狂の渦に包まれた。
竹迫がドロー防衛
 サウスポー加藤がジャブを飛ばしながらワンツー連打で積極的な攻撃を展開。対する竹迫はジリジリと距離を詰めてワンツー、左ボディを好打した。しかし、加藤は回転のある連打でタイトル奪取に闘志を燃やした。2回、竹迫は接近してショート連打で襲いかかるが、加藤は打ち終わりに左ストレートで顔を弾き対抗。4回、加藤は上下に打ち分けるとアッパーを突き上げ有効打を決めた。前半終了時の公開採点は48-47×2、49-46×1で加藤がリード。6回、竹迫は懸命に右を叩きつけるが、加藤はポジションを変えては左ストレートを決め見栄えの良さをアピールした。8回、竹迫はコーナーに詰めて細かいパンチを浴びせるが、大声援に後押しされた加藤は勝利への執念を見せた。10回、竹迫は手数を増やしてワンツー連打で攻勢。加藤もロープを背負いながら懸命に打ち返した。ジャッジに委ねられた採点は三者三様の引き分けで竹迫が王座を死守した。
相手の気持ちが強かった
 大苦戦の末にベルトを守った竹迫は、「年間新鋭賞に選んでもらったのに、情けない試合をしてしまい申し訳ない。打ちにいったらクリンチされ攻めずらかった。サウスポーに対しての攻め方が悪かった。苦手意識はなかったが、サウスポーが苦手なのかもしれない」と厳しい表情を見せた。
 連続KOが10で途切れた竹迫は、「日本記録を狙うとか言っている場合ではなかった。勝っていないのでもう一度戦いたい。ここでつまずいていたら世界を狙うとは言えない」とリターンマッチを望んだ。2月25日に入籍し3月16日に結婚披露宴を控えるが、「ドローで救われた。今日の試合は勝っていないので…」と最後まで声のトーンは上がらなかった。
今日はハマらなかった
 会見に同席した藤原俊志トレーナーは、「後半は焦らず、細かく打っていったらチャンスはいつかくると指示した。右がコツコツ当たっていたので、もっと早い段階でできれば良かった。思ったより手数が出たのにはビックリした。ボディ打ちを警戒されて打ちずらそうだった」とコメントした。
 斎田竜也会長は、「ここで男竹迫は終われない。向こうは勝ったと思っていると思うので、キッチリ白黒ハッキリさせたい」と完全決着を後押しした。
 一方、絶対王者に肉薄するも、あと一歩のところでベルトに手が届かなかった加藤は、声を詰まらせながら試合を振り返った。「竹迫選手のパンチはとんでもない強さだと想像していたので、芯で食らわない限りはそこまで効かなかった。しかし、プレッシャーが最後まできつく、下がらないことを目標に置いていたのに終盤はロープに詰まる場面も多く、自分の勝ちきれない弱さが出た。判定の結果は仕方がない」と肩を落とした。
 それでも竹迫対策に練習を重ねたショートアッパーが的確に要所で入り、手応えを感じたという加藤は「できるのなら(竹迫選手と)もう一度やりたい。これで上を目指す自信がついた。次にやれば勝つ自信はある」と再戦を希望。最後に350人を超える大応援団に話が及ぶと、堪えていた目から大粒の涙を流し「応援のおかげで最後まで戦うことができた。また頑張ります」と感謝した。
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