井上尚弥の宿敵も制したユース五輪が閉幕

　オリンピック種目におけるトップアスリート候補がブエノスアイレス(アルゼンチン)に集結した第3回ユース・オリンピックのボクシング競技では、2000年と2001年生まれの各大陸ユース選手権王者を中心に14日から18日まで行われた。この大会は、2010年に第1回大会が行われ、そのときには、WBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)の準決勝で井上尚弥(大橋)との対戦と確定したばかりのエマニエル・ロドリゲス(プエルトリコ)もフライ級の初代金メダリストとなった。

　計109試合の末に決まった各階級の金・銀・銅メダリストは次の通り。この大会では前回から準決勝敗退者による3位決定戦も行われている。

[男子]
【52kg】
金:Hope Price (英国)
銀:Sukthet Sarawut (タイ)
銅:Luiz Oliveira (ブラジル)

【56kg】
金:Abdulmalik Khalokov (ウズベキスタン)
銀:Maksim Galinichev (ウクライナ)
銅:Mirko Cuello (アルゼンチン)

【60kg】
金:Atichai Phoemsap (タイ)
銀:Taras Bondarchuk (ウクライナ)
銅:Nurlan Safarov (アゼルバイジャン)

【64kg】
金:Ilya Popov (ロシア)
銀:Talgat Shaykenov (カザフスタン)
銅:Hassan Azim (英国)

【69kg】
金:Brian Arregui (アルゼンチン)
銀:Yassine Elouarz (モロッコ)
銅:Jahongir Rahmonov (ウズベキスタン)

【75kg】
金:Keno Machado (ブラジル)
銀:Farid Douibi (アルジェリア)
銅:Jongjoho Weeraphon (タイ)

【81kg】
金:Karol Itauma (英国)
銀:Ruslan Kolesnikov (ロシア)
銅:Temur Merzhanov (ウズベキスタン)

【91kg】
金:Aybek Oralbay (カザフスタン)
銀:Mohamed Amine Hacid (アルジェリア)
銅:Alvin Canales (プエルトリコ)

【+91kg】
金:Alexey Dronov (ロシア)
銀:Damir Toybay (カザフスタン)
銅:Ahmed El Sawe Awad (エジプト)

[女子]
【51kg】
金:Martina La Piana (イタリア)
銀:Adijat Gbadamosi (NGA)
銅:Heaven Garcia (米国)

【57kg】
金:Somnuek Panpatchara (タイ)
銀:Jennifer Carrillo (メキシコ)
銅:Dearbhla Rooney (アイルランド)

【60kg】
金:Caroline Dubois (英国)
銀:Porntip Buapa (タイ)
銅:Victoria Saputo (アルゼンチン)

【75kg】
金:Anastasia Shamonova (ロシア)
銀:Taliya Brillaux (フランス)
銅:Nadia Ryabets (カザフスタン)

　アジア勢は4階級を制し、その中で男子56kg級のアブドゥルマリク・カロコフ(ウズベキスタン)と同60kg級のアティチャイ・フォエンサップ(タイ)は、先にハンガリーのブダペストで行われた世界ユース選手権とのダブル優勝を果たした。最も成績がよかった大陸は金7・銀4・銅3のヨーロッパ。

　この大会は世界的な肥満児の増加や先進国のオリンピック離れへの懸念から始まり、今回の日本はボクシングでの出場を逃した。4年前に中国・南京で開かれた第2回大会では、ライトフライ級・村田昴(貴志川高)、ライト級・保坂剛(東福岡高校)、ライトウェルター級の鈴木稔弘(駿台学園高)が予選を通過し、村田が銅メダル、鈴木が銀メダルを獲得した。

　第1回には井上尚弥(当時・相模原青陵高校)が直前の世界ユース選手権で、あと1勝で出場を逃した。この点を深読みすれば、井上とロドリゲスには少なからず因縁があるとも見られるしれない。なおロドリゲスが井上にとって特に危険なWBSS出場者と言われていることは、井上自身からも語られている。