遂に実現したレジェンド競演!

 　中国・青島の国信体育館で、WBO(世界ボクシング機構)フライ級王座の2度目の防衛戦に臨む王者・木村翔(青木)が26日、挑戦者で同級3位のフローイラン・サルダール(フィリピン)、メインに出場する中国プロボクシング界のレジェンド、WBA(世界ボクシング協会)ミニマム級2位の熊朝忠(中国)とWBA同級王者ノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)との前日計量に臨んだ。試合の様子はCCTV(国営放送)を通じて中国全土に生中継される異例の注目だ。

　飛躍的に存在感を高める中国プロボクシング界で“レジェンド”と崇められるボクサーは主に2人。ひとりは「ザ・勝ち組」なセレブ生活を送っていたゾウ・シミン(中国)から大番狂わせのKO勝ちで王座を奪取し、中国のボクシングファンに大きな衝撃を与えた日本の木村。もうひとりは中国プロボクシングがまだ法規制の抜け道を縫うように細々と行われていた約9年前に、日本で当時WBC(世界ボクシング評議会)フライ級王者の内藤大助(宮田→引退)に挑み、この挑戦こそ実らなかったものの、その後に世界王座となり、歴史的人物となった熊だ。熊も木村も決して裕福ではない生活からのシンデレラ・ストーリーで、同じ境遇にいる中国の若手選手たちに夢を与えてきた。

　現地時間の15時から試合会場内で行われた計量は、木村が200gアンダーの50.6kg、サルダールが400gアンダーの50.4kgでパス。続けてノックアウトが200gアンダーの47.4kg、熊が100gアンダーの47.5kgで一発クリアした。
　木村は「お互いにベストコンディションだからいい試合になりそう。ちょうど1年前の試合も中国開催だったし、急遽決まったところまで似ているから縁起がいいと思っている。変わったことといえば、僕の迎え入れ方です。拍手ひとつひとつが温かい」と感謝した。サルダールも「キムラの人気はすごいね。アウェイみたいな舞台だけど、明日以降は僕がこの国でサクセス・ストーリーを作り始めるよ。そのためにもエキサイトな試合をくぐり抜けたい」と燃えていた。