戸部洋平がメキシコ遠征に出発

　元日本スーパーフライ級王者の戸部洋平(31=三迫)が9日(日本時間10日)、メキシコ・モンテレイでフランシスコ・ロドリゲスJr(24)が保持するWBCラテン・シルバー・スーパーフライ級王座に挑む。試合を6日前に控えた4日、戸部は椎野大輝トレーナー、同門で元日本・WBOアジアパシフィックライトフライ級王者の堀川謙一(38)とともに敵地に向け日本を発った。

　ロドリゲスは、14年8月に当時のIBF世界ミニマム級王者の高山勝成氏を判定で破り、WBOとの統一に成功。その後両王座を返上し、15年7月にフィリピンでWBO世ライト界ライトフライ級王者のドニー・ニエテス(比)に挑んだが、判定負けで2階級制覇に失敗した。5ヵ月後の再起戦でも、前WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)が今年2月のV2戦で初回KOに下したモイセス・フエンテス(メキシコ)に判定負けを喫したが、連敗後は8連勝(6KO)を飾り、階級を上げてもなお高いKO率を誇る。
　戦績は32戦27勝(19KO)4敗(1KO)1分。現在はWBCスーパーフライ級12位、IBFフライ級8位、WBOフライ級2位にランクされ、日本人選手とは高山氏のほか、昨年2月にメキシコ・カンクンで長井一(ワタナベ)と対戦し、5回負傷判定勝ちを収めている。

　敵地なだけにダウン以外は明確なポイントを奪うのも難しそうだが、打撃戦を好むロドリゲスに戸部が得意とする右のカウンターが入ればチャンスはありそうだ。2年前に南アフリカでWBAインターコンチネンタル王座を獲得した戸部の気持ちの強さに期待したい。