井上も注目 IBFバンタム級王座決定戦

　この日のメインではトニー・ベリュー対デビッド・ヘイの元世界王者同士の英国人ライバル再戦が行われ、11回TKO勝ちを収めた昨年3月の初戦に続き、今回もベリューが5回TKO勝ちを収めた。1回と2回はヘイが主導権を握ったが、3回になるとベリューがコンビネーションで2度のダウンを奪って形勢逆転。5回、ベリューは左ジャブで追い立てて右をヒット、この試合3度目のダウンを奪った。ここも立ち上がったヘイだが、再開後にベリューの連打を浴びてレフェリーに止められた。返り討ちにした元WBC(世界ボクシング評議会)クルーザー級王者のベリューは33戦30勝(20KO)2敗1分、クルーザー級とヘビー級で世界制覇を成し遂げているヘイは32戦28勝(26KO)4敗。

　前座にはWBC(世界ボクシング評議会)ライト級2位のルーク・キャンベル(英)が出場し、トロイ・ジェームス(英)に5回TKO勝ちを収めた。昨年9月にホルヘ・リナレス(帝拳)の持つWBA同級王座に挑んで12回判定負けを喫しているキャンベルは再起戦を飾るとともに、かつて苦杯を喫したWBC1位イバン・メンディ(仏)との挑戦者決定戦に弾みをつけた。
また、16年リオデジャネイロ五輪スーパーヘビー級銀メダリストのジョー・ジョイス(英)も出場し、レンロイ・トーマス(ジャマイカ/米)に2回TKO勝ち、英連邦ヘビー級王座を獲得した。32歳のジョイスはプロ転向後4連続KO勝ち、トーマスは28戦22勝(10KO)5敗1分。
このほか、スーパーフェザー級12回戦ではWBAインターナショナル王者のジェームス・テニソン(英)が英連邦、EBU欧州王者マーティン・ウォード(英)に5回TKO勝ち、三王座を同時に保持することになった。WBA2位にランクされるテニソンは24戦22勝(18KO)2敗、IBF12位のウォードは22戦19勝(9KO)1敗2分。
　16年リオデジャネイロ五輪ライトヘビー級銅メダリストのジョシュア・ブアチ(ガーナ/英)も出場し、シュテファーヌ・クエバス(仏)に5回TKO勝ちを収め、プロデビューからの連勝を6(4KO)に伸ばした。クエバスは13戦8勝(4KO)2敗3分。
同じく前座ではジョン・ライダー(英)対ジェイミー・コックス(英)のスーパーミドル級サバイバルマッチも行われ、WBA3位、WBC12位にランクされるライダーが2回KO勝ちを収めている。ライダーは30戦26勝(14KO)4敗、昨年10月、ジョージ・グローブス(英)の持つWBAスーパー王座に挑んで4回KO負けを喫しているコックスは27戦25勝(14KO)2敗。