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[試合後会見]2018.3.3

伊藤雅雪 3度のダウンを奪うも

 年内の世界挑戦を視野に入れるWBO(世界ボクシング機構)スーパーフェザー級1位、同団体アジア王者の伊藤雅雪(27=伴流)が、3日の後楽園ホールでベルゲル・プトン(31=比)とライト級10回戦を行った。WBO王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の王座返上をにらみ決定戦出場を目指す伊藤は、ダウン経験のないタフなフィリピンファイターを相手に世界をアピールすることができたのか――。
ストップの瞬間
 キレのある動きから力強いジャブ、右ストレートで好スタートを切った伊藤は、2回にボディに左を刺しダウンを奪った。早くもKOの期待が高まり、以降も抜群のコンビネーションで攻め立てるが、中盤以降は瀕死のはずのプトンが息を吹き返し、なりふり構わず強打を連発。伊藤はペースこそ握り続けたが、攻めあぐねる場面が増えた。それでも7回にボディを効かせ2度目のダウンを奪うと、9回に連打で倒しレフェリーストップを呼び込んだ。
KO勝ちでホッとした
 試合後、控室に戻り「タフでしたね」と切り出した伊藤は、「いや、僕が下手くそでした。打たれたら打ち返す相手のガッツに5ラウンドあたりから圧されてしまった。左の使い方がまだ自分のものになっていない。もっと何発も打って行けるような体の強さを身につけないとダメ」と反省。序盤のキレと力強さを持続させることが今後の課題だが、それでも今日のように前に出て打ち合えたことは収穫と捉え、目前に迫りつつある世界戦に向け「しっかりと準備したい。もっと盤石な強さを持てるように頑張ります」と誓った。
日本でまた試合がしたい
 一方、敗れはしたものの、予想以上のタフネスぶりを発揮したプトンは「伊藤はストロング! ダウンはすべてバランスを崩してのもので10ラウンドまで出来たけど、彼の右ストレートは強かった」と称え、「伊藤なら世界を獲れると思うよ」とエールを送った。
いよいよ世界へ秒読み
 自身が話した飛び抜けた強さを発揮することは出来なかったが、26戦のキャリアの中で倒れたことのない相手を3度ダウンさせた内容は高く評価したい。陣営は今後、ロマチェンコの動向を見ながら次戦で世界に行くのか見極めることになる。

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