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[調印式・計量]2017.12.30

雑草vsエリート 注目の新旧日本人対決!

 年末の5大世界戦のなかでも特に注目を集める、WBO(世界ボクシング機構)フライ級チャンピオン木村翔(28=青木)対元WBC(世界ボクシング評議会)同級王者でWBO同級1位・五十嵐俊幸(33=帝拳)による新旧世界王者対決。その調印式と前日計量が30日、都内のホテルで行われ、多くの報道陣が会場に詰めかけた。
 7月に中国で五輪連覇のゾウ・シミン(中国)を逆転TKOで破り、無名から一気にブレイクした木村は今回が初防衛戦。一方のサウスポー五十嵐はアマチュア時代の04年アテネ五輪に出場した実績を持つ元WBC(世界ボクシング評議会)同級王者で、この試合は雑草vsエリートとしてメディアの関心が高い。試合は大晦日、東京・大田区総合体育館でトリプル世界戦として開催され、当日の夜7時50分からTBS系列で全国中継される。
派手好きな木村は黄色のグローブ
 調印式後のグローブチェックでは日本製の8オンスが用意され、木村がラッキーカラーの黄色、五十嵐が世界チャンピオン時代から変わらぬ黒を選択した。
ストイックな五十嵐は黒のグローブ
 デビュー戦で1ラウンドKO負けを喫するなど、サウスポーに苦手意識を持つ木村だが、今回はタイでの合宿を含め対策は万全。その余裕が会見でも見てとれ、木村はリラックスした表情でコンディションの良さをアピールした。2つ離れた席に座る五十嵐をチラッと見た木村は「日本での防衛戦を嬉しく思う。明日は300人以上の応援が来るのでそれを力に変え、日本人対決に恥じない熱い試合をしたい」と投げかけた。
18年間積み重ねてきたものを全て出す
 4年9ヵ月ぶりに世界戦のリングに立つ五十嵐は「やるべきことは全てやった。あとは出し切るだけ。場合によっては最後の試合になる」と背水の陣を覚悟。それでも落ち着いた表情で「これまで支えてきたくれた人たち、特に息子にベルトを見せてあげたい」とベルト奪取を誓った。世界王座陥落からの今日までを「(長かったか短かったかは)わからないです。でも、いろいろありました」としみじみと語った五十嵐が強い思いを込めてリングに上がる。
当たれば倒せると現王者
 その後に行われた計量は、木村がフライ級リミットの50.8kgを100gアンダーでパス。五十嵐はリミットちょうどだった。ひと仕事を終えた木村は握り飯を頬張りながら「しっかりとパンチが当たればKOで終わる」と防衛に自信を示し、この後はうどん屋で腹ごしらえ。リカバリーの目標は55〜56kgだ。
 五十嵐が世界王者だったときは、デビューもしていなかった木村は初防衛戦でその真価が問われる。一方、王座返り咲きを目指す五十嵐はこれが最後のチャンス。大晦日のリングでどんなドラマが生まれるのか注目したい。
再び世界の頂点を目指す五十嵐
■計量結果
WBO世界フライ級タイトルマッチ
王者 木村翔(青木)
体重:50.7kg
体温:36.8℃
脈拍:70/min
血圧:125/68mm/Hg

挑戦者 五十嵐俊幸(帝拳)
体重:50.8kg
体温:36.6℃
脈拍:65/min
血圧:138/78mm/Hg

■試合役員
レフェリー/中村勝彦(日本)
ジャッジ/島川威(日本)、アデレード・バード(米)、ルイス・ルイス(プエルトリコ)
立会人/安河内剛(日本)

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