サマートレックは手の内を隠す

　30日の東京・有明コロシアムでIBF世界ライトフライ級王者、八重樫東(33=大橋)の王座に挑戦するIBF世界ミニマム級8位サマートレック・ゴーキャットジム(32=タイ)が27日に横浜市内のジムで練習を公開した。1ヶ月を切って急遽舞い込んできた大きなチャンスに「コンディションは良好。ベルトを獲るために日本に来た。自分のできる限りのことをしたい。30日の出来をぜひ観てほしい」と静かに闘志を燃やした。
　試合の模様は当日夜6時から8時54分までフジテレビ系列で全国生中継される。(延長対応あり)

　9歳からムエタイを始め200戦以上のキャリアで6年前にボクシングに転向。2014年9月、井上尚弥(大橋)が保持していたWBC世界ライトフライ級タイトルに挑んで以来の挑戦となるサマートレックは「世界戦をするために日本に戻って来られて非常にうれしい。あの試合から自分が戦いやすいスタイルに変えてきたので面白い試合になる」と多くは語らなかったが、時折不敵な笑みを浮かべた。

　元世界2階級制覇王者でサマートレックを担当するコンパヤック・ポームラムックトレーナーは「非常に面白い試合になる。彼の長所が出るのではないか。八重樫はスピードがあり力強さのあるチャンピオンだが、対策は練ってきた。それは何かは伏せさせてほしい」と言葉を濁した。

　会見後には報道陣には観られたくないという理由でサンドバッグを1ラウンド、ミット打ちを1ラウンド見せただけで練習を切り上げたサマートレック。軽めの調整だったが、威力のある左ボディを打ち込む場面も見せた。

　サマートレックの練習を見届けた松本好二トレーナーは「前に出ると厄介だがスペースに決定的な差がある。尚弥との試合の映像を見直したが、そこまで大きく変わっているとは思わなかった。左ボディは以前より多く出している印象。序盤から左と足で主導権を握って、打ち負けない展開を作っておきたい。当てにくいポジション取りはできるはずなので、山場を作って中盤から終盤にパンチをまとめてストップしてくれたら」と期待を寄せた。