南米の強豪を撃破しバトンを繋ぐ

　31日(土)に東京・大田区総合体育館で開催される「THE　BEST　OF　BEST」のセミファイナル、WBA世界ライトフライ級タイトルマッチに出場する王者の田口良一(30=ワタナベ)が16日、都内の所属ジムで練習を公開した。田口は同級3位カルロス・カニサレス(23=ベネズエラ)を迎えて5度目の防衛戦に臨む。

　練習前に会見した田口は「ここまで順調にきている。あと2週間だが気を抜かないように気を付けたい。相手の方がパワーやバネは上なので打ち合いに付き合わないこと。ガンガン出てくる選手なので足が使えないと厳しい戦いになる。ただ、それだけではダメなので要所要所で打ち合う」とカニサレスの強さに警戒しつつも対策は万全だと強調した。「今回は特にプレッシャーがすごいが、それを楽しめたら良いと思う。内山さんの前に試合をするので僕が勝つことで弾みをつけたい」と兄貴分である内山に良い流れを作ると誓った。

　田口を担当する石原雄太トレーナーは「相手は体の当たりが強い選手なのでフィジカルトレーニングをかなりしてきた。相手の重心の支点をずらしてサイドに回ったり、ダウンを奪った後にしっかり倒し切る練習をしてきた。スパーリングを観ていても良い出来なので期待している。中盤から後半に倒してくれたら」と調子の良さに太鼓判を押した。

　この日はスパーリングは行わず3ラウンドのミット打ちを披露。疲れがピークにきているというが、生命線であるジャブから多彩な左のコンビネーションをみせた。その後のドラムミットでは力強い右ストレート、左フックを叩き込んだ。コンビネーションバックを背負った石原トレーナーが前に出てくるのを真っ向から打ち合ったと思えば、足を使って捌きつつ強烈な左ボディを突き刺した。

　スパーリングは試合の5日前まで行い、トータルで100ラウンドを予定している。今年は指名挑戦者の宮崎亮(井岡)を退けるなど3度の防衛戦を行った田口。年末はライトフライ級の世界戦が3試合行われるが、インパクトのある勝ち方で存在感をアピールする。