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[試合後会見]2016.10.11

意地と意地が正面衝突!生き残ったのは?

 ノンタイトル戦にも関わらずボクモバ勝ち予想が世界戦並みの関心を集めた一戦。元OPBFスーパーフライ級王者で現日本バンタム級2位の赤穂亮(30=横浜光)と"恐怖のノーランカー"勅使河原弘晶(26=輪島功一スポーツ)が11日の後楽園ホールで開催された「ダイナマイトパンチ102」のメインイベント、54.0kg契約10回戦で激突。試合前からヒートアップした両者の対戦に注目が集まった。
赤穂が辛勝した
 立ち上がり、赤穂が上下にコンビネーションを決め先手を握ったが、勅使河原も右カウンターを決め対抗。赤穂が鋭い踏み込みから右フックを打ち込むのに対し、勅使河原はタイミング良い右ストレートをヒットさせ前評判通りの好試合となった。中盤はお互いに大砲を振り回したが、間一髪でかわして緊張感のある攻防を展開。6回、赤穂は左ボディを突き刺し勅使河原の動きを止めると右フックで顔を弾いた。9ラウンド、赤穂はワイルドな攻撃で倒しにかかったが、勅使河原も負けん気の強さを発揮すると左フックでバランスを崩させた。最終回、赤穂はローブローの減点1が課せられたが、壮絶な打ち合いののまま試合終了のゴングを聞いた。割れた判定は赤穂が小差で激戦を制した。
拳を痛めたという赤穂
 控室に戻った赤穂は採点を確認。「パンチはよく見えていたので競っているとは思わなかった。判定勝ちは想定していなかった。倒さないといけない立場なのに苦戦を許してしまった。今日は厳しく書いてください」と反省の弁が口を突いた。「相手は良く研究していたし、いきなりの左フックが上手かった。小手先だけでなく根性もあった。ノーランカーのレベルではなかった」 と勅使河原の強さを評価した。男気のあるマッチメークをしてくれた石井会長に感謝した赤穂は「一度負けている相手を日本に呼んで、借りを返してそれから世界を狙いたい」と昨年世界戦で敗退している前WBO世界バンタム級王者のプンルアン・ソーシンユー(タイ)との再戦を希望した。
評価を上げた勅使河原
 一方、勅使河原は「勝ったと思ったが第三者の目、結果がすべて。人生をかけてやっているので悔しいですが、完敗です。プロですから結果が全てなんで」と潔く敗戦を認め、赤穂については「カウンターを当てていければ出てこれないと思ったが、赤穂選手は一発があり予想以上に強かった」と称えた。最後には涙が堪えきれくなった勅使河原だが「打たれ強さが出たのは収穫でしたが、もう少し瞬時の判断力を磨きたい」と前を向き、「強くなって戻ってきます」と再出発を誓った。
石井一太郎会長
 この試合を組んだ横浜光ジム石井一太郎会長は「勅使河原選手の評価が上がった試合。後半、勅使河原選手は顔に出してしまっていた。そこがキャリアの差だと思った。これまで試合を観たことがなかったが、イケイケだと聞いていたので若かりしころの赤穂を取り戻してほしいと思ったので、ヒリヒリする試合をさせたいと思って決めた」と試合の感想とこのカードを決めるに至った経緯を明かした。
採点表
 勅使河原が試合前に公言していた"赤鬼退治"とはならなかったが、これまで赤穂が求められてきた勝ちへの執念 "鬼" の一面を引き出すことはできた試合。次の試合で、一皮むけた姿を見せるのはどっち?

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