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[試合後会見]2016.10.9

日韓戦、持ち味を出し切った両者

 堺市内の堺市産業振興センターで9日、堺東ミツキジムのイベント「GOUKEN.9」が開催された。メインイベントでは元東洋太平洋ライトフライ級王者の好川菜々(38=堺東ミツキ)と前WBO世界女子ライトフライ級王者の李恩恵(韓国)がWBO世界女子フライ級王座決定戦に出場した。2度目の世界挑戦に燃える好川が悲願の世界タイトルを手にできたのか。
好川悲願の戴冠
 試合は、強打の李に対して、手数を出した好川という構図が最後まで続き一進一退を繰り返す好試合となった。序盤、角度のある左フックをヒットするとコンビネーションを見せる李。対して、下がりながらも手数を出す好川だが、やや李が有利に試合を進める。中盤、左ボディがヒットした好川は形勢逆転に成功するとインファイトをみせポイントを盛り返す。後半、両者は維持の打ち合いを演じるがお互い決定打は奪えず。判定(2-1)で好川が念願の世界タイトルを奪取した。
経験が生きた
 試合後、好川は「再挑戦ということが生きたと思います。前回の試合より、冷静にトレーナーの声も聞こえていたし、前回7ラウンドで鼓膜を怪我していたので『魔の7回』と思っていたところもあったんですけど、今回は冷静にそこも越えることができました。今日は本当にボクシングをやっていて楽しかったです。たくさんの応援ありがとうございました」と一気に話し終えると、満面の笑顔をみせた。手にしたピンクのベルトに目をやると「ベルトを獲ったので、これからが本当のスタート」と気を引き締めると「これを生かすも殺すも私次第だと思う」と早くも世界チャンピオンとしての責任感が口をついた。
ホッとしたと野上トレーナー
 夫でもある野上真司トレーナーは「正直5回まではポイントは取られていると思っていました。でも、今回はネガティブなことは言わないでと言われていたので、後半にかけて我慢して励ますことだけを言った来たつもりです。僕もよく頑張った(笑)冗談です。女子ボクシングの宝である好川を世界チャンピオンにできて正直ホッとしています」と安堵の表情をみせた。
ジム初の世界王者誕生
 春木博志会長は「堺市にあるジムからは世界チャンピオンになったのは初です。好川には本当に感謝しています。今後のことは野上トレーナーや本人とよく話し合って決めていきます。とりあえず指名試合が120日以内と決められているのでそれに向かって行く感じになると思います」と今後の展望を語った。
悔しい敗戦にも丁寧に話した李
 一方、悔しい敗戦となった李は「まずは好川選手におめでとうと言いたい。判定は仕方ないし、受け入れる。自分の全てを出し切れたのである程度の満足はある。彼女の細かいパンチを受けすぎたのが敗因。もう一度練習を頑張ります。日本の皆様ありがとう」と丁寧に話して会見を終えた。昨年ライトフライ級の世界王座に就いたが、防衛戦の機会に恵まれず、転級して今回の王座決定戦でリングに上がった韓国出身の実力者、李恩恵の再起にも期待したい。

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