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[試合後談話]2016.10.6

混戦のスーパーフライ級、頂点が決定!

 6日の後楽園ホールで開催された「オーバーヒート・ボクサーズナイト」のメインイベントは空位となっている日本スーパーフライ級王座を同級1位の中川健太(31=レイスポーツ)と同級2位の木村隼人(27=ワタナベ)が争った。左に自信のある中川とスピード自慢の木村、どちらに軍配が上がったのか――。
中川の手が上がった
 初回、両者ともフェイントをかけながら様子を伺うがサウスポー中川が左ストレートを伸ばしアグレッシブに攻めた。その後、木村の右ストレートと中川の左ストレートが交互にヒット。中間距離での緊張感のある攻防を見せていたが、4ラウンド、中川が左ストレートを決め攻勢を掛けたが、木村は打ち終わりにカウンターを当ててポイントを奪うと、前半終了時の公開採点は48-48、49-47、48-47で木村がリード。すると中川はプレスを強めて思い切りの良いワンツーで攻勢、木村はロープを背にする場面が増えていった。終盤、両者とも死力を尽くしての打撃戦となり試合終了のゴングを聞いた。ジャッジに委ねられた採点は割れたが2者が中川を支持。タイトル初挑戦でベルトを巻いた。
染谷敬喜トレーナーと喜びを分かち合った
 控室に戻るなりベルトを抱きしめて感無量の表情を見せた中川は「駆け足でここまできたので夢のようです。試合が終わった瞬間、勝ったと思った。公開採点が出た時も焦りはなかった。相手が休んでいるのがわかったから攻めた。今回は本当にたくさん練習してきたのでその成果が出た」と感想を口にした。試合はサウスポーだが本来は右利きだという中川は「もっと自分から試合を組み立てなければいけない」と課題を挙げるのも忘れなかった。
 王座決定戦のため、初防衛戦はランキング最上位との試合が義務付けられており、同級3位の船井龍一(30=ワタナベ)と拳を交える可能性があるが「決まればやるが、心情的にはやりたくないですね」と高校でボクシング同好会を作った同級生との対戦は望まなかった。「夢は世界王者だが簡単には口に出せない。ただ日本王者になったからにはそこを目指していきたい」と目を輝かせた。
ガックリとうなだれた
 控室に戻った木村は、がっくりと肩を落としたまま試合を振り返った。「距離を取って打ち終わりにちょこちょこ右を合わせる作戦だったが、それが読まれていた。7回が終わってドローが見えていたので行くしかなかった。中川選手のパンチはビックリするほどじゃなかったが、ポイントを取らていると分かって混乱してしまった」と敗因を分析し、今後については何も考えられないと明言を避けた。
船井龍一(ワタナベ)
 この試合を見守った船井は「後半、中川が攻めたのがポイントとなり隼人(木村)は後手に回ってしまった。採点は隼人が優勢かなと思ったが、中川の攻めの姿勢が評価されたのだと思う。でも、何とも言えないですね…」と同級生の中川と同門である木村の試合に複雑な感情を見せた。
田之岡が対戦を熱望
 かつて中川と対戦経験がある同級7位の田之岡条(22=小熊)は「中川さんには判定で負けているので是非リベンジしたい。次のランカー戦に勝ち残って必ず挑戦します。日本スーパーフライ級を引っ張るのは僕です」と闘志を燃やした。

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