井上尚弥が年末のV4に向け始動!

　9月4日に試合を終えた世界2階級制覇王者の井上尚弥(23)と弟で世界前哨戦をクリアした拓真(20)が27日、横浜市内の大橋ジムで練習を公開した。この日は、ロンドン五輪銅メダリストでプロデビュー戦をKO勝利で飾った大橋ジムのニューファミリー清水聡(30)も元気な姿を見せた。また、公開練習には姿を見せなかった世界3階級制覇王者の八重樫東(33)を含め、井上兄弟と清水聡の4人は、次戦を年末に迎える。
　拓真はWBO世界バンタム級王者のローマン・タパレス(比)に挑戦することが改めて発表された。

　前回の防衛戦では腰痛に悩まされながらも最後は意地の連打で同級1位ペッチバンボーン・ゴーキャットジム(タイ)を倒し、10回KO勝ちを飾ったV3王者。試合後には米国で行われたカルロス・クアドラス(帝拳)対ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)のWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチを現地で観戦し、華やかなリングを含め刺激を受けたと目を輝かせた。

　対戦が期待される軽量級最強のゴンザレスが勝ったことでビックマッチも一歩前進。これまで以上にモチベーションが上がったと話す井上は、いつオファーが来てもいいように、またゴンサレスのハングリー精神を見習って普段から摂生に努めるようになったと明かした。試合後3週間の休養を取ったことで疲労により炎症を起こしていた腰部筋肉の痛みもトレーニングに支障がないまでに回復。練習では父・真吾トレーナーとのミット打ちも披露した。

　注目のV4戦は、統一戦が期待されていたWBA新王者ルイス・コンセプション(パナマ)が11月に英国での初防衛戦を選択したことで消滅し、現在は上位からオファーを出している状況だが、WBA&WBOフライ級王座を返上したファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)が今月のランキング更新でWBOスーパーフライ級2位にランクされ挑戦者候補に浮上。井上もコンセプションがダメなら切り替えるだけとし、挑戦者エストラーダを歓迎した。