村中優の復帰戦

　12日、後楽園ホールで開催された「オーバーヒート・ボクサーズナイト」のセミファイナル、53.0kg契約10回戦で前日本フライ級王者の村中優(30=フラッシュ赤羽)と石橋俊(28=仲里)が対戦。前回の試合で計量失格により出場停止処分を受けた村中の1年ぶりの復帰戦にファンの視線が注がれた。

　初回、ランク入りに闘志を燃やし、ジャブを飛ばしながらペースを握ろうとする石橋に対し、村中は久しぶりのリングの感触を確かめるようにゆっくりとプレスをかけながら様子を伺った。2回から村中がプレスを強めて上下にコンビ―ネーションで攻勢をかけ、石橋はロープを背にする場面が増えた。4回、村中はさらにギアを上げ回転のある連打でダメージを与えるが、石橋も必死の抵抗。しかし6回、村中は右ストレートで石橋の腰を沈めると一気にラッシュ。最後はレフェリーストップを呼び込み、再起戦をKO勝利で飾った。

　一方、村中相手に最後まで勝負を諦めず試合後には会場から惜しみない拍手が送られた石橋。「相手が単純に強かった。プレスのかけ方が上手く、ジャブを当てさせてくれなかった。悔しいし情けない」と反省すると涙で頬を濡らした。