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[試合後会見]2015.12.19

辰吉「良い1年」

 エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館第二)で19日、大阪帝拳が主催するイベント「ドラマチックボクシング.71」が開催された。セミファイナルではプロ3戦目を迎えた辰吉寿以輝(19)。メインでは東洋太平洋と日本のランキングに名を連ねる中澤奨(23)がプロ8戦目で初となる日本人対決に臨んだ。
中澤プロ8年目
 セミファイナルに登場した辰吉は、クラトキジムの脇田洸一を迎えての54.4kg契約4回戦。脇田が距離を置いてジャブをつくと、辰吉は右を強振しながら前に出て左フックを振るった。プロで初めてフルラウンド戦った辰吉は、最終ラウンド脇田をダウン寸前まで追いつめるも無念のゴングを迎えた。辰吉が有効打を集め判定勝利を収めるも、KO出来ずリング上で笑顔は無し。
 メインに登場した中澤はプロ8戦で始めて日本人との対決に臨んだ。アマチュア経験もある渡部大介(ワタナベ)が低い姿勢から左右のフックを振るうと、中澤は鋭いジャブから左ボディを効果的に突き刺しペースを握る。渡部も頭を下げプレスをかけ右ストレートをボディに突き刺すが、形勢逆転には至らず。後半、倒しにはやる中澤はクリーンヒット後に大振りが目立ち消化不良のまま試合終了。中澤が判定勝ちを収めた。
揃って会見
 試合後、辰吉と中澤は揃って会見を開いた。
 中澤は「まずは、日本人の対戦相手でことごとく断られたなか、快く対戦を受けてくれた渡部選手とワタナベジムに感謝したいです。試合は途中からボディが効いているのはわかったけど、そこから大振りになってしまってダメでした。でも、練習していた左は出せたので良かったです。来年はすぐには無理でしょうけど、後半にはタイトル戦が出来ると思うのでチャンピオンになりたいと思います」と力強くコメントした。
 辰吉は「悔しかった、倒したかったですね。ちょっと緊張していたかもしれない。もっと左をついていけたら良かったです。今年も良い1年になったので来年も良い1年にします」と悔しさをにじませたが最後は笑顔で会見を終えた。
辰吉丈一郎氏(45)
 辰吉の父で元WBCバンタム級王者の辰吉丈一郎氏(45)は「まあ、寿以輝はジャブちゃうかな今日は。無理に倒しにいかんかったし、3戦目では上出来ちゃいますか。練習してることが試合に出る。練習してないことは試合には絶対でない。左の使い方やね、課題はーー。(中澤)奨は良かったんちゃうかな。足が使えとったし、しっかりパンチも打ててた。まあ、試合終わったばっかりやからな、お疲れさんや」と2人に労いの言葉をかけた。
吉井寛会長
 大阪帝拳吉井寛会長は「寿以輝については今日はボクシングの怖さも知ったし、フルラウンド戦えたし、合格。来年の新人王戦についてマッチメイクもしていけるし、出なくても、と考えている。まあ、本人と話してから決めます。中澤は、んー、左は確かに良くなったけど、倒してほしかったな、彼の場合はキャリアも積めてきているし、ランキングもこれでまた少しは上がるやろうから来年の後半にはタイトルをやらせたいな、東京でも大阪でもやれるならどこでも行くよ」と語った。

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