高野は白無垢姿で登場

　明日11日、後楽園ホールで開催されるダブル女子世界戦のひとつ、WBO女子世界Sフライ級タイトルマッチ、王者ダニエラ・ベルムデス(26=アルゼンチン)対挑戦者でOPBF女子Sバンタム級王者・高野人母美(28=協栄)の調印式と前日計量が10日に後楽園ホール展示場で行われた。
なお、試合の模様は当日19時からCS放送のTBSチャンネル2で生中継。また、15日の23時30分からTBS「情熱大陸」で高野の密着ドキュメントが放送される。

　毎回、計量で奇抜な衣装を披露する高野は、初めての調印式に白無垢姿で登場し、詰めかけた報道陣を驚かせた。滞りなく調印とグローブチェックを終えた両者は、互いを特に意識することなく試合への意気込みを語った。

　落ち着いた表情のベルムデスは「ここまでとても順調。あとは試合を待つだけ。どんな試合でも弱い相手はいないので、KOは意識しない」と、これまで通りのコメントに終始。高野の衣装についても「キレイですね」と話すだけだった。

　一方、挑戦者の高野は、減量苦から時おり伏し目がちになり、辛そうな表情を浮かべた。それでも気丈に答え「練習してきたことをすべて出し、ベストな試合にしたい」と精一杯に意気込んだ。

　注目の計量に移り、高野は白無垢を脱いで今度は登り竜のシール水着を体に貼り付けて登場。まずベルムデスが400gアンダーで難なくパスし、続いて高野が慎重に秤の上に乗ると、見事リミットの52.1kgでクリア。計量から解放された高野は、ペットボトルをグイッと飲み、これまでで一番の笑顔を見せた。

　その後、高野は囲み取材に応じ、改めて明日に懸ける思いを口にした。白無垢はボクシングに対するピュアな気持ちと日本らしさを表現したもので、着用はメイク込みで3時間掛かった。減量は昨日の練習後の段階で52.4kg。喉の乾きで一昨日に続き、昨夜も眠れず、氷なめて口を潤し気を静めたそうだ。「本当にキツかったが、今は心が満たされている。今日はゆっくり眠れそう」と安堵した高野は、「明日は全力を出す。勝つ自信はあります。みんなにここまで神輿を担いでもらったので、あとは自分の力でゴールします。殴り合いを見てください」と気を吐き、笑顔のまま会場を後にした。

■検診結果
王者ダニエラ・ベルムデス
血圧:114/60/Hg
脈拍:74/min
体温:36.7℃

挑戦者・高野人母美
血圧:119/72Hg
脈拍:80/min
体温:36.6℃