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[試合後会見]2015.6.11

和氣、世界への最終関門は?

 10日、東洋太平洋Sバンタム級王者・和氣慎吾(27=古口)の世界前哨戦、IBF世界同級指名挑戦者決定戦が10日の後楽園ホールで行われた。ランキング(現在1位と2位は空位)ではIBF6位の和氣に対し、対戦相手のマイク・タワッチャイ(タイ)は3位と格上だが、序盤からサウスポー和氣の高速左ストレート、さらに返しの右フック、左右アッパーがマイクの顔面を捉え、ファンは6連続KO中の和氣のKO劇に期待が高まった。
タイでは生中継された!
 しかし、今回が9度目の来日、そして24戦の和氣を上回る42戦35勝(21KO)6敗1分のキャリアを持つマイクも思いのほか反応がよく、体をしっかり振ってはヒットポイントをずらし、顔は腫らすものの大きく姿勢を崩すことはなかった。さらに持ち前のタフネスと肩を入れた伸びる右ストレートで再三襲いかかり、和氣のチャンスを潰した。それでも距離とリードからのボクシングを崩さず主導権を握り続けた和氣は、観客の期待に応えるかのように試合終了10秒前、左ストレートをマイクの顎にジャストミート。ついにダウンを演出した。マイクが起き上がり終了のゴングとなったが、和氣は自身初となる12ラウンドを戦い抜き、118-109,119-108,119-108と公約通りにほぼポイントを落とすことなく完勝。敵地を想定した世界戦の予行演習として上々の成果を挙げた。
真っ向から勝負したマイク
 この日の試合の模様は、日本ではこの後深夜にTBSで放送されるが、タイではテレビ局「MONO 29」で生中継された注目のカードだった。それだけに敵地・日本でこれまで以上の奮闘を見せたマイクだったが、試合後の会見では「(和氣は)左ストレートはシャープで強かった。右アッパーも強烈だった」と脱帽し、大きく腫らした顔で激闘を物語った。また、これまで何度も日本で戦ったことがあるマイクは「和氣は今までで一番強かった」と時折り笑顔を交え和氣を称えた。
笑顔もこぼれる
 一方、世界挑戦に王手をかける勝利も判定決着に和氣は、「詰めの甘さ、気持ちの弱さが出た。パンチも全部見えていたし、やりやすい相手だっただけに倒して勝ちたかった」とやはり反省の弁。それでもタフなマイクにほぼフルマークで圧勝できたとこを喜び、古口哲会長は不満をもらしたが自身では合格点をつけた。
世界のベルトを巻くぞ
 指名挑戦権を得た和氣はこれで次戦、7月18日にアメリカ・テキサスで開催されるIBF世界Sバンタム級タイトルマッチ、王者カール・フランプトン(英)対アレハンドロ・ゴンサレスJr(メキシコ)の勝者への挑戦が内定。現実となった世界挑戦に向け、「浮かれてはいられない。今日のような相手でも倒す力をつけ、自分で掴んだチャンスを必ずものにする。チャンスは一度!」と自らを奮い立たせた。
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