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[試合後談話]2015.4.17

戦いたい選手は一人

 中重量級屈指の倒し屋としてウェルター級、スーパーウェルター級で日本とアジアを制した渡部あきのり(29=野口)が、16日の後楽園ホールで8ヶ月ぶりのリングに立った。対戦相手は、昨年12月の前戦で日本ランカーの斉藤幸伸丸(輪島スポーツ)を序盤にノックアウトするなど、このところ勢いのあるOPBF東洋太平洋ウェルター級2位のアーネル・ティナンパイ(30=比)。
3回に左でダウンを奪ったが…
 ミドル級でも実績を残すティナンパイは、序盤こそサウスポー渡部の重いパンチと手数に押され3回にダウンを喫したが、その後はダメージを感じさせない頑強なフィジカルとパワーで渡部を苦しめた。3回以降、追い込んでも倒れないティナンパイのタフネスに手を焼き、終盤の打撃戦では右ストレートをもらい腰を落としてしまった渡部だが、大きくは崩れずにフルラウンドを戦いきった。
ティナンパイの右を浴び苦戦
 判定勝ちも苦しめられた内容に不満を漏らした渡部は、「日本で戦いたい相手はいるんですがね、こんな試合じゃ…」と悔しがり、世界をまたに掛けて戦う現OPBFウェルター級王者の名前を封印。それでも「こういった試合に勝つことができて良いキャリアになった」と前を向くと、昨年11月に第二子となる長女が誕生したことに話がおよび、一転して「めちゃくちゃ可愛い」と相好を崩した。今や2児の父となった倒し屋は、今年からトレーニングの一環として東京・浅草で人力車を引く仕事を平日週2〜3のペースで始めたそうだ。
子供の話におよび照れ笑い
 「目標はあくまでも世界」。家族の支えがあるからこそ後悔なきボクシング人生が歩めるとした渡部は、名前こそ最後まで出さなかったが、対戦実現を強く希望した。

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