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[試合後会見]2015.4.14

明暗を分けた6ラウンド

 OPBF東洋太平洋スーパーライト級王者、小原佳太(28=三迫)の2度目の防衛戦が、同級7位・岡崎祐也(28=中内)を迎え13日、後楽園ホールで行われた。岡崎は前々回の小出大貴(薬師寺)戦で日本とOPBFランクを手に入れ、3連勝と弾みをつけてのタイトル初挑戦。序盤から勢いよく仕掛けると思われたが――。
採点表
 先手を取ったのは小原のジャブ。丁寧に左を突いては右ストレートに繋げリズムを掴み、2ラウンド以降はキレのある右から強烈な左ボディを突き刺した。サウスポーの岡崎も後手ながら相打ちの左ストレート、さらに右フックを返したが、小原の右を警戒してかペースは上がらず。4ラウンドの途中採点を2者39-37、1者40-37と王者にリードを許した。その後も小原のペースで進んだが、迎えた6ラウンドに岡崎の隙をついた左の一打が直撃。思わず体勢を崩した王者を見逃さず、一気に攻め込んだ挑戦者だが、打ち疲れると右をカウンターを浴び形勢逆転となってしまった。明暗を分けたこの回、小原はロープ際でガード一辺倒となった岡崎に怒涛のラッシュを浴びせ、レフェリーストップを呼び込んでのTKO勝ち。2度目の防衛をはたすと同時に、自身の連続KO記録を12に伸ばした。
岡崎祐也
 敵地でのタイトル初挑戦ながら善戦した岡崎。控室の椅子に座るなり「チャンピオンは強かったです!」と潔かった。「緊張はまったくしなかった。パンチはことごとくかわされるし、こんなにボコボコにされたが楽しかったです」。悲壮感を感じさせない岡崎は、「こんな僕でもまだボクシングをやってもいいですか?」と取材陣に訊ね、「良い夢を見させてもらったなぁ…。いや、まだやりますよ!」と敗者の控え室を笑いに包んだ。ベルトは取れなかったが、東京のファンに「広島に岡崎あり」と覚えられたに違いない。
小原佳太
 一方、6ラウンドのパンチは「効いていない。バランスを崩しただけ」と苦笑いした小原。KO防衛に「記録はまったく意識していないが、ホッとした」と安堵の息を漏らした。内容については「序盤は様子見と決めていたが、その後は相打ちが怖くて臆病になっていた。いつも警戒し過ぎてしまう」と反省も多かったが、「予想より岡崎選手が出てこなかったのがプラスに働いた。遅いペースなら僕に分がある。途中採点はトントンかなと思ったが、リードしているなら求められるのはKOだと思い強気で攻めた」と少ないチャンスをモノに出来たとも喜んだ。
三迫会長と
 6割方は反省の小原だったが、会見に同席した三迫貴志会長は「ピンチに陥った状態から良い勝ち方が出来た。評価は高い」と労い、次のステップとして「タイミングが合えば階級を上げ、OPBFウェルター級を挑戦させるのも選択肢の1つ。小原のモチベーションが上がるような試合を組んでやりたい」と話し、ウェルター級王者・亀海喜寛(32=帝拳)とのビッグマッチを希望。これまで「一戦一戦、決められた試合をするだけ」としていた小原も「強い相手に挑戦したい」と珍しく口にし、意欲を見せた。
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