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[試合速報]2015.3.28

比国の聖地から世界へ

 WBO世界バンタム級1位の赤穂亮(横浜光)が25日、フィリピンボクシングの聖地アラネタコロシアムのリングに上がった。赤穂はこの日、ドネアとニエテスによるフィリピン人スター選手の競演を控えた同コロシアムで、ガーナ出身のプロスパー・アンクラとWBOインターナショナルの王座を懸けて戦いファンの熱い視線を集めた。
いざ、出陣。
 強気に前に出ていく赤穂がアンクラをつかまえるのは時間の問題だった。初回開始早々、名刺代わりに大きく振り上げた左アッパーでフィリピンのボクシングファンの心をつかんだ赤穂は、右ストレートで試合を決めた。
KO勝利にホッと一息
 「やりにくかった。リズムも違うし距離もつかめなかった」。控え室に戻った赤穂は開口一番、ガーナ出身のアンクラの印象を語った。右ストレートで中間距離から飛び込むとクリンチで連打を阻まれた。同じ場面を何度も繰り返すと観客からは、アンクラに対してため息交じりのブーイングも聞こえ始めていた。左ボディからの攻めに切り替えたことで突破口を探り当てた。その瞬間、会場は大歓声に変わった。
 「力でねじ伏せてしまった」。地元記者を唸らせた試合にも、石井一太郎会長は試合の組み立て方に注文をつけることを忘れなかった。立会人を務めたWBOのレオン・パノンシロ氏が説明した通り、同団体にとっては世界タイトルの次に重要なインターナショナルのタイトルだが、世界ランキング1位の赤穂には今回の試合は世界前哨戦。ハイリスクノーリターンの覚悟で臨んでいた。フィリピンで行われた世界戦クラスの大舞台。初のアフリカ人選手との試合。それを差し引いてもトレーニングキャンプの成果は発揮しきれていないという。
ダブルフラッシュ
 「ジャパニーズフラッシュとフイリピーノフラッシュだ」と試合後の控え室で地元の記者に赤穂を紹介したドネア。奇しくも、ドネア自身が課題とした自身のリングも試合の組み立て方。二人のフラッシュ(閃光)は次戦、どんな試合を見せることができるか。二人のフラッシュに注目したい。
金子大樹も応援に駆けつけた
 赤穂のことをアニキと慕う金子大樹も笑顔で控え室に戻った。「刺激を受けました。海外で試合をしたくなりました」。試合を終えて地元関係者に拍手で見送られた赤穂陣営。横浜に光あり。

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