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[海外ニュース]2014.12.3

「キューバのジャッカル」

 「軽量級最強」の声もあるWBA、WBO世界スーパーバンタム級王者ギジェルモ・リゴンドー(34=キューバ/米)が12月31日、大阪のボディメーカーコロシアム(大阪府立体育会館)で東洋太平洋フェザー級王者、天笠尚(29=山上)の挑戦を受けることになった。五輪連覇の実績を持つリゴンドーは、プロでも14戦全勝(9KO)のレコードを誇る究極のテクニシャン。天笠自身が「チャンスは1%」というほどの実力者だ。
ギジェルモ・リゴンドー
 1980年9月30日、キューバの南東部に位置するサンティアゴ・デ・クーバで生まれたリゴンドーは13歳でボクシングを始め、アマチュアでは247戦243勝4敗の戦績を残している(386戦374勝12敗など諸説あり)。2000年のシドニー五輪、04年のアテネ五輪で金メダルを獲得したほか01年と05年の世界選手権、02年と05年のワールドカップでも優勝を収めている。09年2月に同僚のエリスランディ・ララ(現WBA世界スーパーウェルター級王者)とメキシコ経由で米国に亡命し、ドイツのアレナ・ボックス・プロモーションと契約してプロに転向した。1年半後の10年11月にWBAの世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得し、翌年には下田昭文(帝拳)から王座を奪ったリコ・ラモス(米)を倒して正王者になった。昨年4月にはノニト・ドネア(比/米)にも勝ってWBO王座も吸収。天笠戦が8度目の防衛戦となる。戦績は14戦全勝(9KO)。
ドネアもシャットアウト
 スピードとテクニックを併せ持ったサウスポーのテクニシャンで「ジャッカル」の異名がある。かつてフレディ・ローチ・トレーナーの指導を受けたこともあるが訣別。その後、ロニー・シールズ・トレーナー、イスマエル・サラス・トレーナー、ペドロ・ディアス・トレーナーと指導者が変わっている。リゴンドー本人はもとより取り巻きも気難しいメンバーが多いとの評判だ。左ストレートのカウンターや右フックなど天才的な勘を持ち併せているが、耐久力には疑問符がつく。初の戴冠を果たしたリカルド・コルドバ(パナマ)戦とドネア戦ではダウンを喫しており、パンチを浴びて腰砕けになった場面も何度かある。34戦28勝(19KO)4敗2分と比較的高いKO率を誇る天笠は、この一点にかけることになりそうだ。
7月のソッド戦
 現在、リゴンドーは米国フロリダ州マイアミの「ホルヘ・ルビオ・ジム」でトレーニングに励んでいる。天笠には「弱いおまえを倒しに日本に行ってやる。覚悟しておけ」と強烈なメッセージを送っている。なお、リゴンドーはWBAとWBOのふたつの王座を保持しているが、天笠戦にはWBO王座のみがかけられる可能性もある。
 30日に井上尚弥(大橋)の挑戦を受けるWBO世界スーパーフライ級王者のオマール・ナルバエス(亜)、そして31日のリゴンドー。日本人挑戦者の奮闘とともに、実績も知名度も実力も十分の大物のリングパフォーマンスにも要注目だ。

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