
今年度最注目のトリプルマッチ!
12/6(土) 後楽園ホール
第533回ダイナミックグローブ
第39回ファイティング・スピリット
日テレG+で放送予定

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62.0kg契約10回戦
WBC世界ライト級9位
荒川 仁人(八王子中屋)
VS
日本ライト級王者
加藤 善孝(角海老宝石)
8年越し、注目のラバーマッチ!
荒川vs加藤、ともに04年にデビューした同期の二人は、05年度東日本新人王決勝で初めて対戦。この時は荒川(32)が判定2-1で勝利し、全日本新人王にも輝いた。しかし、翌年9月の8回戦での再戦は加藤(30)が判定2-0で勝利し、雪辱を晴らすとともにデビュー以来無敗の荒川に土をつけた。ここから先、ライバル視していた両者が三度交差することはなかった。その後、荒川は10年4月に日本王座を奪取。3度の防衛後、空位のOPBF東洋太平洋王座を獲得し、世界へと羽ばたいた。13年7月の米国テキサスで行われたWBC世界ライト級暫定王座決定戦では、敗れはしたものの、後にチャンピオンとなったオマール・フィゲロア(米)と壮絶な打撃戦を繰り広げ、その名前を世界的なものにした。
対する加藤は、11年10月に荒川が返上した日本王座を獲得。4度の防衛後、これも荒川が返上したOPBF王座を佐々木基樹(帝拳→引退)と決定戦を争い2冠王者となった。荒川と同じ道を歩んだ加藤にも世界への道が期待されていたが、今年1月のOPBF王座2度目の防衛戦で、関西のホープ中谷正義(井岡)に判定負けを喫してしまった。この試合は日本王座が懸けられていなかったため、加藤は4月、7月に防衛をはたし通算7度の防衛に成功。OPBF王座を失った今、世界へ飛び出すためにも荒川の持つ世界ランクがほしいところだ。
世界戦を経験し海外で高い評価を得た荒川と、堅実に日本タイトルを守ってきた加藤。1勝1敗で迎えた8年越しのラバーマッチではあるが、この一戦はどちらが世界に近いのかをアピールするサバイバルマッチともなる。
前回は昨年5月、淵上(31)がOPBF王者として柴田(32)を迎えたが、7回に柴田がダウンを奪うなど9回負傷判定で王座を奪取。しかし続く8月の次戦で、柴田はロンドン五輪金メダリスト、村田諒太(三迫→帝拳)のデビュー戦の対戦相手に抜擢されるも2回TKOに散り、格の違いをアピールする結果に終わってしまった。一時は引退も考えたという柴田だったが、再起を誓うとミドル級に耐えうるフィジカル強化に着手。そして今年3月の再起戦では、中川大資(帝拳→引退)から日本王座を奪い、スーパーウェルター級に続き2階級2冠制覇をはたした。また、7月には淵上との次期王座挑戦権に勝利したミドル級のホープ、西田光(川崎新田)を最大8ポイント差の判定3-0で退け、国内敵なしを印象づけた。
一方、サウスポーの淵上は12年5月にOPBF王座を返上し、ウクライナでジェナディ・ゴロフキン(カザフスタン 現WBA、WBC王者)の持つWBA世界ミドル級王座に挑戦。初回にバッティングによる負傷もあった淵上は、3ラウンドまでに2度倒され、最後はレフェリーストップによるTKO負けで世界奪取の夢が潰えた。5ヶ月後の再起戦でOPBF王座決定戦に勝利し再びベルトを巻いたが、前述の柴田との初防衛戦で王座を奪われ、10ヶ月のブランクを経て臨んだ挑戦者決定戦にも敗北。西田戦はこれまでのアウトボクシングから、好戦的なスタイルを加えて臨んだ試合だっただけに、敗戦のショックは大きかった。それでも淵上は三度再起し、7月にインドネシアのランカー選手を2回TKOで撃破。柴田に借りを返すチャンスを掴んだが、淵上にとっては背水の陣で臨む一戦ともなる。
大竹秀典(金子)が返上した日本スーパーバンタム級王座を懸け、同級1位の小國以載(26)と同級2位の石本康隆(32)が王座決定戦を争う。二人の対戦は今回が初。前OPBF東洋太平洋同級王者の小國は、昨年3月に現王者の和氣慎吾(古口)に破れ王座から陥落。その後、VADYジムから角海老宝石ジムへと移り、移籍後は3戦全勝(2KO)の数字を上げ今回のチャンスを掴んだ。戦績は14戦13勝(4KO)1敗。
一方、石本の同王座挑戦は今回が2度目。前回は最強後楽園を勝ち上がり、12年2月に当時の日本王者、芹江匡晋(伴流)にアタックしたが、判定負けを喫した。しかし翌年4月、中国マカオで行われたWBOインターナショナル同級王座に挑み、王者ウィルフレド・バスケス・ジュニア(プエルトリコ)を判定0-2で破る大金星を上げ、世界ランク入りをはたした。惜しくも今年5月のIBF世界同級次期挑戦者決定戦でIBF4位のクリス・アバロス(米)に破れてしまい、世界からは一歩遠のいたが、現在もIBF11位にランクされ、今回の決定戦が世界へ向けた再始動となる。ちなみに、石本は小國を破ったサウスポーの和氣に5年前に勝利している。プロ12年目の石本の戦績は31戦24勝(7KO)7敗。
どちらもフットワークを得意とする技巧派で、スピードのある右ストレートの破壊力も一級品。復権を目指す者同士の楽しみな一戦となった。
「ベルトは景気付けだよ。IBFとWBOを認めた時点で、日本もアメリカやヨーロッパのような世界のボクシング界の流れを受けることになったんだと思う。もちろん、タイトルやベルトを軽んじているわけではないが、ファンが気にするのは、誰と誰が戦うのか――。ファンの目も肥えてますからね。ただタイトル戦をやるんじゃなくて、良いカードを組んでいかないと、お客さんは満足してくれません」。
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