実力はあるが、大事なところで弱気の虫が顔をのぞいていた。デビュー3連勝後の初黒星、新人王決勝での2敗目、メンタルが勝敗を左右するスポーツではあるが、村中の場合、それがリングに上がれないほど落ちる時もあった。それが現実となったのが、5年前の第1回「最強後楽園」フライ級決勝での棄権だった。対戦相手は当時、日本フライ級5位の池原繁尊(横浜光)。村中は期待のホープとして臨んだ大会だったが、前年の07年B級トーナメントで優勝したことで周囲の期待が大きくなっていた。
勝てば翌年の日本王座挑戦権が手に入る試合。体調不良と伝えられていたが、明らかなウェイトオーバーによる計量失格だった。この事件により、村中は約2年間もの空白期間を作ってしまう。
ボクシングから遠のいた村中だが、この間に結婚、子供も生まれ一念発起。10年7月に再起を計ると無敗ロードを突き進み、12年には世界ランク入りをはたす。元々テクニックとスピードに定評のあった村中は、この頃から「スパーの村中」として大橋ジムの"怪物"井上尚弥、2階級制覇王者の八重樫東といった大物の相手を務め、来るべきタイトル戦に向けてフィジカル、テクニックの底上げ、なによりメンタルの強化に励んでいた。
そして迎えた12月10日の日本王座戦。タイトル初挑戦の村中は、王者の粉川拓也(28=宮田)の足に苦しんだが、3Rに会心のダウンを奪うとその後も真っ向勝負を挑み、僅差の判定で王座を奪取。ダウンがなければ危ういギリギリの試合だったが、この試合で見せた村中のファイトは、最大の課題であったメンタルのモロさを払拭させるに十分なものであった。
紆余曲折を経て日本王座へと登りつめた村中。まだまだ発展途上の王者は、この先どんなチャンピオンロードを見せてくれるのか注目したい。
所属:フラッシュ赤羽ジム
デビュー:2004.11.9
通算戦績:22戦19勝(5KO)2敗1分
生年月日:1985.6.12
身長:163cm
血液型:AB
出身:鹿児島県
スタイル:右ファイター
得意パンチ:左フック
憧れのボクサー:ロイジョーンズ
趣味:子供と遊ぶ
目標:負けない事
メッセージ:頑張ります!
主な戦績:07B級トーナメント優勝、現日本フライ級王者(0)
過去3試合:
2012.10/6 後楽園ホール
フライ級10回戦
ガンバレ将太(戸高)
7R TKO勝ち
2013.3/21 後楽園ホール
Sフライ級8回戦
阿知和 賢(ワタナベ)
判定3-0勝ち
2013.12/10 後楽園ホール
日本フライ級タイトルマッチ10回戦
粉川 拓也(宮田)
判定1-2勝ち
※日本王座獲得
Picupバックナンバー
□TOP
(C)QBIX