[特集]インタビュー
2010.4.8

WBC世界バンタム級王者
長谷川穂積(真正)


長谷川穂積の自伝!!
□まず、自伝を書こうと思った経緯から聞かせてください。
長谷川「僕は1999年11月のプロデビューなので、ちょうど10年が経ったことになるんです。世界チャンピオンになって5年、防衛も10回になったので、これをひとつの区切りにして、さらに上を目指して再スタートを切れるのではないかと考えたからです」

□家族、とりわけ父親との関わりやスタッフとの絆など、テーマが多岐にわたっていますね。
長谷川「僕は7歳のときにオトン(父親)から半強制的にボクシングをやらされたわけですが、いま考えるとボクシングをやってきて良かったと心の底から思いますね。オトンは一度交わした約束ごとは絶対に守るという厳しい人だったので、僕は子供のころに数え切れないほどしばかれたんですよ(笑。高校では赤点が6教科もあって留年が決定、それを機に家出したんです。家に戻ったとき、僕はオトンにしばかれると覚悟したんですが、オトンは僕のことを懐に抱え込んでくれた……あれが僕の人生のターニング・ポイントだったと思っています。オトンは厳しいなかに優しさを包んでいたんですね。そんな話や女房とのこと、オカンのこと、そしてジムのスタッフや試合のこと……ボクシング好きの人だけでなく、子を持つ親の世代、女性にも手にとってもらえたら嬉しいですね」

□長谷川さんは「僕は天才じゃない」と話していますが、自分ではどう分析しているのでしょうか。
長谷川「僕は自分で自分のことを「天才」と思ったことは一度もないです。でも、天才じゃないからこそ、たくさん努力したと思うんです。これは自信持って言えることです。努力する才能はあったんだと思います。必ずしも天才だけが世界一になるわけじゃない、天才だけが世に出るわけじゃないということが本を読んでもらえれば分かると思います。努力に勝る天才なしって言いますからね。本にも正直に書いたことですが――それにオトンやオカンも本のなかで証言しているように――僕は十代のころは「いかにしてサボろうか」と考える人間だったんです(笑。自分で言うのもどうかと思うんですが、それが人はこんなにも変われるものかというほど変わりましたからね。誰にでも変わるチャンスはあると思うんです。ただし、強い意志がないと難しいでしょうね。強い意志があれば道は拓けるし、逆の言い方をすれば意志がないと道は拓けないものだと思うんですよ。そういった思いも込め、僕が座右の銘としている『意志道拓』という言葉を本のタイトルにしたんです」

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