2007年6月4日、デビュー7戦目で八重樫東(大橋)が挑んだ世界タイトルマッチ。八重樫の眼前には、当時ミニマム級最強と言われたWBC世界ミニマム級王者・イーグル京和(角海老宝石)が立ちはだかった。この一戦で八重樫が世界王座を獲得したならば、辰吉丈一郎、名城信男の8戦目を更新するプロ7戦目での世界奪取最短記録となり、八重樫東の名前は日本ボクシング界の歴史に永遠に語り継がれる筈であった。しかし、ボクシングの神は八重樫に試練を与えた。
2Rに偶然のバッティングで顎を骨折する重傷を負いながらも王者イーグルに立ち向かった八重樫だが、10Rに痛恨のダウンを奪われ、判定負けを喫した。世界の壁の高さをその身、その拳で体感した八重樫は、この敗戦から多くの経験値を吸収し、結果、プロとして何戦何十戦にも及ぶキャリアを積ませる事となった。
その後、顎の怪我が完治し、八重樫は再び王者を目指す戦いの最前線に復帰し、日本王座挑戦権獲得トーナメント“最強後楽園”にエントリー。この最強後楽園、八重樫に日本最強の重さを知らしめる戦いが待ち受けていた。故・辻昌建(帝拳)と初戦を戦い、復帰2戦目で八重樫は再び苦敗を舐める。
辻は最強後楽園で優勝を果たし、日本ミニマム級王座決定戦で金光佑治(六島)と対戦。辻は最終10RのKO負け後リング上で意識を失い、帰らぬ人となった。王座を奪取した金光も試合後に硬膜下血腫と診断され、王座返上引退となった。
八重樫は紆余曲折を経て、堀川謙一(SFマキ)と空位となった日本ミニマム級王座決定戦を戦い、判定3-0で日本ミニマム級王座を獲得した。が、八重樫には辻・金光の夢が染み込んだ日本ミニマム級王座を巻く事に多少ならずとも躊躇いがあった。“この王座を自分が巻いて良いのだろうか…。”心の中で自問自答する八重樫。想いの詰まった王座に苦悩するも、この日本ミニマム級王座を輝かせる事、王座を守り抜き世界にその歩みを進める事が想いを継ぐ事となるのではないか…。
そして八重樫は日本ミニマム級王者として、更なる飛躍を胸に誓う。初防衛戦に日本同級1位・金田淳一朗(白井具志堅)を迎え打つ。この一戦は終盤に入り、ポイントで大きく上回っていた八重樫は心の中で“このまま足を使って逃げ切ろう!!”そんな思いが一瞬よぎった。だが、八重樫の心に浮かんだ顔は最強後楽園で拳を交えた辻昌建だった。“王者としてここで逃げ切る事は辻さんに対して失礼だ!!”八重樫は一歩も引く事の無い打撃戦を展開し、判定3-0で完勝を収めた。
初防衛に成功した八重樫は、イーグル戦、辻戦を戦った時の自分自身を大きく上回り、ボクサーとして計り知れない成長を成し遂げていた。
5月1日、日本ミニマム級王者として八重樫は2度目の防衛戦を戦う。この防衛戦をクリアしたならば、八重樫は再び世界に照準を絞るであろう。幾戦の経験と想いをその拳で吸収した“音速の拳”を持つ八重樫東は、ミニマム級の歴史を変える戦いを本格開戦させる!!
階級:ミニマム級
所属:大橋ジム
デビュー:2005.3.26
通算戦績:14戦12勝(7KO)2敗
生年月日:1983.2.25
身長:160cm
出身:岩手県北上市
血液型:O型
スタイル:右ボクサーファイター
主な戦績:第11代東洋太平洋ミニマム級王者、第23代日本ミニマム級王者
最近3戦の試合結果
09.9.5後楽園ホール
日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
金田 淳一朗(白井具志堅)
10R判定勝ち
※初防衛成功
09.6.21大阪IMPホール
日本ミニマム級王座決定戦10回戦
堀川 謙一(SFマキ)
10R判定勝ち
※王座獲得
08.10.18後楽園ホール
Lフライ級オープン戦8回戦
須田 拓弥(沼田)
8R判定勝ち
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