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[試合後会見]2022.12.3

神経戦! 阿部麗也vs前田稔輝!

 日本&WBOアジアパシフィックフェザー級タイトルマッチ、2冠王者の阿部麗也(29=KG大和)対日本同級2位の前田稔輝(26=グリーンツダ)が3日、後楽園ホールで開催された「第619回ダイナミックグローブ&大和魂」のメインイベントで激突した。
 
 チャンピオンカーニバルMVPを受賞し、ノリに乗っている阿部が初防衛に成功したのか? それとも10戦全勝で、初のタイトルマッチの舞台に上がった前田がベルトを奪ったのか?

 フェザー級注目の一戦のゴングが鳴り響いた! 
阿部麗也(KG大和)がV1を達成
 サウスポー同士による注目の一戦は、阿部がキャリアの差を見せて快勝した。序盤から中間距離で、ヒリヒリとした神経戦を展開。どちらかと言えば、阿部がポイントを取っている印象だ。お互いに得意の左はクリーンヒットしないが、阿部がジャブで顔を弾いた。7回、前田は左ストレートで左目上を切り裂き反撃。10回は阿部がワンツーを好打。ラスト2ラウンドは、前田がプレスをかけて攻勢をかけた。ジャッジ1者はドローとしたが、残り2者の支持を得た阿部が初防衛に成功した。
「相手は気持ちが強かった」
 カットした傷の手当てを終えて、会見に臨んだ阿部は「立ち上がりはイメージ通りで、ペースを取ることができた。(前田選手の)パンチはスピードがあったが、さほど怖さは感じなかった。様子見の段階でポイントを取れたのが勝因」と試合を振り返った。それでも、「カットした後、コツコツと当てられて、後半は攻め方に迷いが出てしまった。ラスト2ラウンドは、もっとチャンピオンらしく戦わないといけない」と反省するのも忘れなかった。

IBF世界挑戦者決定戦も視野に

 次戦は、チャンピオンカーニバルで、元日本王者で同級1位の佐川遼(28=三迫)を迎え撃つ予定。しかし、片渕剛太会長によると「チャンピオンの(ジョシュ・)ウォーリントン(英国)が、12月10日に1位の選手との指名戦をする。来年、IBF世界同級5位の阿部にも挑戦者決定戦のチャンスが回ってくるかもしれない。今日の内容では、あまり大きなことは言えないが、世界のチャンスがあるのならさせてあげたい」と語った。

 阿部は「上に行くチャンスがあれば行くし、(佐川選手に)借りを返すチャンスがあるのならする。流れの中に身を任せる」と話すにとどめた。
顎を骨折した疑い
 一方、最後まで食い下がった前田は、顎を骨折している疑いがあり、話すのは厳しい状況。代わりに本石昌也会長が電話取材に応じた。「2〜3ラウンドに折れたと思う。上体を浮かせてバックステップしていたので、おかしいなと思ったが…。序盤にアクシデントがある中で、最後までよく頑張った」と労をねぎらった。
佐川遼(三迫)
 この試合を観戦した佐川遼は、「阿部選手がキャリアがある分、距離感で抜きんでていた。(阿部選手が)全体的なペースを取っていたが、たまに見せる前田選手の左でトントンか、阿部選手が少し有利に進んだのかなと思った。前田選手はスピードがありキレもあったので、今のままでも十分強いが、キャリアを重ねたらさらに怖い存在になる」と感想を語った。

 来年、挑戦予定の佐川は「距離感が上手いので、そこの潰し方をトレーナーと話しながら攻略していきたい」と攻略の糸口を見つけたようだ。阿部と佐川は、2019年9月に日本王座決定戦で対戦し、そのときは佐川が判定勝ちしている。
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