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[試合後会見]2021.8.12

真夏の熱戦! 吉野修一郎vs仲里周磨!

 日本ライト級タイトルマッチ、王者の吉野修一郎(29=三迫)対同級10位の仲里周磨(24=ナカザト)が12日、後楽園ホールで開催された「ダイヤモンドグローブ」のメインイベントで行われた。ライト級アジア3冠王者としてライト級の中心にいる吉野が7度目の防衛を果たしたのか?それともタイトル初挑戦の仲里がベルトを沖縄に持ち帰ったのか――。
日本王座V7に成功
 初回、ジャブの差し合いとなるが仲里が右ストレートを好打し幸先の良いスタートを切る。しかし、吉野は2回にプレスを強めてワンツーで反撃。4回には右ストレートで左目上を切り裂いた。しかし、仲里も真っ向から応戦しボディから左フックを合わせた。前半終了時の公開採点はジャッジ3者ともに1ポイント差で吉野がリード。6回、吉野は左フックでグラつかせると上下に打ち分け圧倒。仲里の傷が深くなりレフェリーストップとなった。
防衛にも反省した
 7度目の防衛に成功した吉野だが、目指すステージの高さから「これまでで一番ダメな試合だった」と自らの出来に厳しい評価を下した。具体的には「コンビネーションが出なくて雑だった。打ち終わりに左フックを狙ったが当たらなかった。もっと安定感のあるボクシングを見せたい」と話した。

 「相手のパンチは速かった。初回に右をもらったが、中途半端な距離にならないように努めた。徐々にパンチが当たり出して嫌な顔をしていた。中盤から後半にかけて失速するだろうと指示が出たので距離を潰した」と振り返った。
年内にあと1試合予定
 会見に同席した三迫貴志会長は「仲里選手は頑張りと気迫がすごくて賞賛できる選手だった。若い挑戦者を退けて吉野ももっと強くなる」と試合を総括した。

 今後のプランについて聞かれた三迫会長は「海外での世界ランカーとの試合を模索していく。ただ、このような状況なのでいろいろなことを総合的に判断していきたい」と口にした。吉野は「マッチメークは会長に任せる」と語った。
「初回にもう少し攻めれたら…」
 一方、傷の手当を終えて取材に応じた仲里は「チャンピオンは強かった。ただ、今出せる力は出し切ったと思う。初めてのタイトルマッチは気持ちが良かった」と絶対王者の吉野と真っ向から打ち合った充実感からか清々しい表情を見せた。

 ライト級に転向し初戦でタイトル戦に臨んだ仲里は「コンディションは良かった。カウンターもボディも入ってたが、スーパーフェザー級なら倒せていたが…」とフィジカルの強化を課題に挙げた。

 仲里が勝てば、沖縄のジム所属の男子選手としては父で会長の仲里繁氏が、2002年5月にOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座に就いて以来、19年ぶりだった。今後について聞かれた仲里は「また、しっかり頑張ります」と再起を誓った。

 繁会長は「吉野選手は打たれ強くてボクシングの幅があった。初回にチャンスがあったのでもっと攻めさせたらよかった」とファーストラウンドの攻防を悔やんだ。
「吉野選手と対戦したい」
 会場で試合を観戦した前WBO(世界ボクシング機構)スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(30=横浜光)は電話取材に応じ「面白くて良い試合でした。吉野選手の良いところも悪いところも見えた。仲里君はパンチもスピードもありすごく良い選手だが、ひとつのボクシングしかできなかったと思う。吉野選手の方が総合力と馬力と重厚感があった」と感想を口にした。
 そして「年末頃に対戦したい」とライト級ビッグマッチを熱望した。

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