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[試合後会見]2020.11.7

井上岳志が無敗のランカーと対決

 WBOアジアパシフィック・スーパーウェルター級王者の井上岳志(30=ワールドスポーツ)が7日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のメインイベント70.0kg契約8回戦で日本ミドル級13位のワチュク・ナァツ(23=マーベラス)と対戦した。
 再び世界を目指す井上が世界ランカーの実力を示したのか、それともA級初戦で大きなチャンスを手にしたナァツがアップセットを起こしたのか――。
井上岳志(ワールドスポーツ)が判定勝ち
 テクニックと経験で上回った井上が快勝した。井上は前に出てくる相手に右カウンター、さらに上下にコンビネーションを決めてポイントを加点。しかし、ナァツも気迫あふれるファイトで下がらず右フックを返し応戦した。4回、井上は偶然のバッティングで左目上をカット。しかし、集中力を切らすことなくペースを維持した。最終8回は激しい打撃戦でお互いに譲らなかった。
ポイントは取っていると思った
 バッティングで負傷し痛々しい姿で会見場に現れた井上は「序盤は相手のパンチがよく見えていたが、バッティングで見えなくなりリズムが乱れた。自分の甘さが出てしまった。ジャブはしっかりと出せたが、変な試合はできないというプレッシャーがあり力みがあったかもしれない。今日は4割くらいの出来だった」と淡々と試合を振り返った。
世界に向けて勝負させたい
 会見に同席した齊田竜也会長によると、WBOアジアパシフィック王座の防衛戦を重ねながら、空位のOPBF東洋太平洋王座を狙うプランもあると明かすと、「この状況なので外国人選手が呼びずらい。日本人選手で戦ってくれる相手がいれば」と呼びかけた。
再び立ち上がる
 一方、試合後に電話取材に応じたナァツは「相手は距離が近くなっても打たせず打つテクニックがありキャリアの差を感じた。体の強さを感じたしガードが硬かった」と力の差を認めた。それでも世界ランカーと真っ向から打ち合い、今後の活躍に期待を感じさせた。ナァツは「この敗戦をポジティブに捉えて突き進みたい」とこの悔しさを糧に立ち上がる。
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