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[試合後談話]2019.12.8

大逆転! 凄絶な打撃戦を制したのは

 WBOアジアパシフィック・ウェルター級1位の別府優樹(28=久留米櫛間)と2位の矢田良太(30=グリーンツダ)による同王座決定戦が8日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第2競技場)で行われた。重量級ファイター同士の激突は、近年まれに見るダウンの応酬で会場は大声援に包まれた。
5度倒された別府だが
 開始からペースを握ったのは挑戦者の別府。ジャブから大きな左フックを決め矢田の出端を抑えた。ぐらつく矢田だが、右ストレートを狙い続けた。2ラウンド、別府の右アッパーで足元を揺らした矢田はさらに別府の右ストレートでダウン。ここはクリンチでしのいだ矢田はゴングに救われた。中盤、矢田は右ストレートで挽回をはかると4ラウンドに別府からダウンを奪う。ジャブを多用する別府に対してガードで右ストレートのタイミングをはかった矢田は、6ラウンドの2度のダウンを追加した。別府にダメージはたまっているものの、足は軽快に動きジャブを当て続けた。7ラウンドに1度、9ラウンドに1度ダウンした別府だが、10ラウンド、ジャブで攻勢をかけると一気にラッシュでレフェリーストップを呼び込んだ。5度ダウンした別府だが、劇的な逆転TKO勝利でベルトを奪取した。
10回の打ち合いで大逆転
 試合後、別府は「4ラウンドに右拳が折れてしまい、左しか使えなかった」とアクシデントを告白。「左フックがテンプルにヒットした時も痛めた感触はあった」とアイシングした手に目をやった。5度のダウンについては「最初のダウンは倒すために打ちに行った矢先だった。見えていたパンチですが、バランスを崩したところに入って少し効きました」と振り返った。初のタイトル戴冠に「まだ実感はないです。矢田選手に勝てたことだけが実感ですね。本当に苦しかった。絶対に気持ちで負けないように思い続ました」と喜んだ。
ジム創設から初めてのベルト
 櫛間昭会長は「本当によくやった。ジム創設から初めてのベルトは重い勝てると思ったがコーナーに帰ってきて拳のことを聞いて驚いた。これが出発点だね」と愛弟子の健闘に笑みを浮かべた。
僕が弱かったと矢田
 一方、悔しい敗戦となった矢田は「負けたので僕が弱かったということです。左がうまかったですね。パンチは耐えられたし、僕の方があったと思いましたが」と言葉が途切れタオルで汗を拭った。
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