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[原功コラム]2018.2.27

尻に火がついた山中 「挑戦者の気持ちが強い」

 山中慎介(帝拳)が挑戦者としてリングに上がるのは11年11月以来、6年4ヵ月ぶりのこととなる。そのときは王座決定戦でクリスチャン・エスキベル(メキシコ)を11回TKOで下して戴冠を果たしている。このあとネリに敗れるまで12度の防衛を果たしたことは周知のとおりだ。特記すべきはV12の相手と内容(結果)であろう。挑戦者のなかには世界的に知られたビック・ダルチニャン(アルメニア/豪)やアンセルモ・モレノ(パナマ)ら元世界王者がのべ7人含まれており、12度防衛のうち8度はKOで終わらせているのだ。戴冠試合(エスキベル戦)と陥落試合(ネリ戦)を含めた14度の世界戦で奪ったダウンの数は合計30に上る。1試合平均で2度以上のダウンを奪っている計算になる。米国の老舗専門誌「リング」のパウンド・フォー・パウンド(体重同一と仮定した最強ランキング)で全階級を通して長いことトップ10内にランクされていたのも当然といえよう。
海外のファンも注目したアンセルモ・モレノ戦
 そんな山中だが、帝拳ジムの本田明彦会長は「モレノとの第2戦(16年9月=山中が7回TKO勝ちでV11)で山中は燃えつきていた」と話す。たしかに17年3月のV12戦では5度のダウンを奪って7回TKO勝ちを収めたが、自身も被弾して守勢にまわるなど完勝と呼べる内容ではなかった。流れからみて、その延長線上にネリとの初戦があったともいえる。しかし、本田会長はネリとの再戦が決まってからの山中の練習を見て「負けて尻に火がついた感じ」と評している。
リベンジを誓ったゴッドレフト
 山中自身は「ネリに借りを返したいという思いで練習してきた。いまはベルトもないし、挑戦者という気持ちが強い」と心境を吐露している。そして「負けているので大きなことは言えないけれど、もう一度戦えば勝てると思うからやるわけで、再起は自分の意思。ネリはチャンピオンになったことで自信をつけただろうし、勢いも増したはず。厳しい試合になることは覚悟しているが、それを乗り越えて成長したところを見せたい」とリベンジを誓う。

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